コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 短・中編集(参照300突破感謝!) ( No.59 )
- 日時: 2014/08/14 21:58
- 名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)
ことわざ『石の上にも三年』
俺は中学の時野球部に入った。
最初は基礎体力作り、ボール拾いが主だった。
ただ休憩があるとはいえほとんどずっとランニングとかつまらないものばかりだ。
何度野球部をやめようと思ったことか……。
しかし、やめなかったのは友達がいたからだ。
彼は率先して皆を引っ張るリーダータイプだった。
そんな彼がいたからこそ俺はやめなかったんだろう。
しかし、野球部の活動が辛かったのも事実。
その辛さに耐え切れなかった者は次々にやめていった。
十人いた部員は六人まで減ってしまった。
中学校三年間で最後の試合、中体連。
俺は出場選手に選ばれた。まあ六人しかいないから当たり前かもしれないけど。中三と中二合同チームだ。
中体連のために体を壊さない程度に練習時間を増やした。
大変だったけど、中体連に勝つためと思えば耐えられた。
そしていよいよ中体連の日。
昨日は早く寝てこの日に備えた。
練習もしっかりやった。
何もかも完璧だ。
俺の予想通り一回戦はほとんどストレート勝ちだった。
「やったな」
そう言って彼は笑った。
ただ、次は強い学校と当たる。この前練習試合したらひどい点差だった。
結果からいうと俺たちは負けた。
しかし、接戦だった。
「皆、お疲れ様!」
沈んだ顔をしたチームメイトに明るく声をかけるのは部長であり俺の友達だ。
「皆がんばったね。でも負けちゃった。けれど前はもっと差があったのにここまで縮められた。これはみんなの努力の結果だ」
そう言って皆を慰める部長はきっと誰よりも悔しいのだろう。
それが分かっていたから皆部長の言葉に口を出さない。
「これで三年生は引退だけど二年生と一年生でがんばってね」
でも、晴れやかに笑う彼はとても凛々しかった。
彼が部長でよかった。
皆同じ気持ちだったようで涙は見せなかった。
「部長お疲れ様」
帰り道そういうと彼は
「松本こそ、練習よく耐え抜いたな」
と笑った。
「まあお前がいたからな」
「そうか。でもまあ三年間よくがんばったな」
「お前こそ」
「実はさ、はじめやめようと思ったんだ。だけど父さんに怒られてさ。“三年やって上達しなければ諦めろ。石の上にも三年というだろう”ってね」
俺はすこし意外に思った。
いつも練習も楽しそうにしているのに、そんな事考えていたのか……。
「でもやってよかったよ。父さんの言うとおりだ」
確かに、そう思う。
がんばったからここまで出来た。
それは基礎練習もがんばってきたおかげだ。
そういうと彼は
「そうだね」
と微笑んだ。
『石の上にも三年』
意味:辛抱すればいつかは成功する。
—END—
あとがき
意味、全然違ってすいません。
ただ一回戦勝ったし、二回戦も1点差までになったから成功したという事で……ダメですね、すいません……。