コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 短・中編集(参照300突破感謝!) ( No.61 )
- 日時: 2014/08/23 09:33
- 名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)
私はあと顔と性格と頭と運動神経と口調がよかったら完璧だったと思う
「ほーんと、真希ってあと顔と性格と頭と運動神経がよかったら完璧だよね〜」
私の親友である雪が言った。
「雪はその毒舌治せば完璧だな」
私は本気とからかい混じりで言う。
実際、雪は美人だ。
そして頭もよく、運動神経もそこそこいい。
それに比べ、私は顔はお世辞にもいいとは言えないし、性格も悪い。
さらにテストでは平均点を超えた事がなく、走れば転ぶしボールも重力がそこだけ重いのか? と疑いたくなるくらい飛ばない。そして乱暴な口調。どこをとってもダメ人間。
一つだけいいところがあるとすれば、勘がいいということくらいだろうか?
そのおかげでテストの記号問題は全部当たっている。
それに鳥の糞に当たった事もない。
「ちょっと真希? ボーっとしてるけど大丈夫?」
雪に声をかけられ、私は考え事を止めてその言葉に反応する。
「大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけ」
「え? そっちこそ大丈夫?」
私が考え事をしていて何が悪い!
「まあ、いろいろあるんだよ」
「どうせあー、明日テストだ。めんどっとか思ってるんでしょ?」
「え? 明日テストあったっけ?」
「まあないけど」
一瞬本当にあると思ったじゃないか!
まあそういったら「やっぱり、真希はだましやすいね」とにやにや笑われるだろうから言わないけど……。
「本当に私が顔と性格と頭と運動神経がよかったら完璧だったと思う?」
私の質問に彼女は
「まあね。だって勘いいし。というかたいていの人はこの中の一つくらいいいところ持ってるけどね〜」
確かにその通りだ。
「なにその、確かにその通りだって今気付いたような顔。今更気付いたの?」
ギクッ。
「ほんと、真希は分かりやすい」
彼女は声を出して笑う。
その表情さえも可愛く見えるのだから美人は得だ。
「もしかして全部直そうとしているの? それは無理」
その言葉は胸に刺さるから止めて欲しい……。
「でも性格と口調くらいなら直るんじゃない?」
その言葉に私は救われたような気がした。
「まあ、時間かかるかも」
その言葉に私は
「本当に性格悪いよね……」
とあきれるのだった。
「それが私だから」
意地悪そうに唇をゆがめて笑う彼女に何もいえない。
「まあ自分を変えたいなら付き合うよ。私性格がよければいい人なのに……って褒められるから」
それは褒めているのだろうか?
しかし雪の提案はありがたい。
「じゃあ手伝ってよ」
「うん、明日から開始だね!」
彼女は楽しそうに微笑んだ。
—To be countinued—
なかがき
なんとなく書きたくなって書きました。
しばらく続くと思います。
- Re: 短・中編集(参照400突破感謝!) ( No.62 )
- 日時: 2014/08/31 00:47
- 名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)
私はあと顔と性格と頭と運動神経と口調がよかったら完璧だったと思う2
「じゃあ、今日は性格直すか。といってもすぐに直るとは思えないけど」
雪はいつも通り毒舌だ。
これが分かっていてやっているところがタチが悪い。
「どうやって直せばいいの?」
先生に質問する生徒のように手を挙げて雪に聞く。
「真希はでも少し言葉遣い良くするように心がけたらいいと思う」
雪にしては的を得たアドバイスだと思う。というか頭いいからこれくらい普通に思いつくけど意地悪だから教えてくれないのだろう。
「なるほど……。頑張ってみるな」
「だからそれがダメだって! 敬語で喋る位の意識がないと無理かな」
「失礼でございますわよ、雪様。私にとって敬語で喋るなんて簡単ですます」
「いや、それ変だから。さすが真希」
何故か苦笑されてしまった。
そんなに変だったのか……。
確かに敬語記号問題1問しか合ってなかったけど……。
軽くショックを受けていると雪がこうアドバイスをしてくれた。
「例えばさ、ありがとうを笑顔で言うとか素直に悪いことしたらごめんなさいって謝るだけでも違うと思うよ?」
さすが、雪。
というかなぜここまでわかっているのに性格が悪いんだろう?
「ちなみにこの性格は真希だけだから!」
この人、どSなのか……。
まあ今は相談に乗ってくれているからいいけど、終わったら覚えてろよ!
「その顔、何か悪いこと企んでるでしょ? 白状しなさい」
「いふぁい、いふぁいからほっふぇつねらないで(痛い、痛いからほっぺつねらないで)」
「じゃあ白状してくれる?」
黒い笑みを浮かべて雪が言う。
これでも整った顔は整ったままで羨ましい。
でも怖い。美人が怒ると怖いのは本当だ……。
「するからふぁなして! (するから離して!)」
そう言うとほっぺをつねっていた手を離してくれた。
つねられたところをさすりながら
「意地悪してくるから、意地悪し返そうと思った」
と素直に言うと雪は
「そうだったんだ〜。じゃあこれから教えてあーげない!」
と嬉しそうに笑っていう。
「え? 教えてよ!」
そうしないと全部出来ない奴として人生を過ごさなきゃいけなくなる。
「言うこと、あるよね?」
「ごめんなさい」
即座に謝りました。
土下座で。
周りの人がこっちみてこそこそ言っているけど教えてもらうことのほうが大事!
「まあいいよ。私は優しいからね!」
「確かに雪は可愛いよね」
「私は今優しさについていったんだけど……」
複雑そうな雪はスルーして私は雪相手に敬語を使ってみる。
「雪様、最近すごく眠くなりますがなぜだかご存知でありますか?」
「やっぱり変……。じゃあですますを語尾につけて話すっていうのは?」
それのほうがいいかも知れない。
「雪、最近すごい眠いんですがどうすればいいですか?」
「早く寝なさいよ。というかそっちのほうが優しい感じになってるよ。でも、中身はすぐ変わらないだろうし気長にね」
こうして私は性格は少しだけましになった。
—To be countinued—
- Re: 短・中編集(参照400突破感謝!) ( No.63 )
- 日時: 2014/09/02 18:58
- 名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)
私はあと顔と性格と頭と運動神経と口調がよかったら完璧だったと思う3
「よし、これで口調もよくなったし少しはましになったんじゃない?」
雪は微笑んで言いました。
確かに昨日性格と一緒に口調も直しましたからね。
ちなみに地の文が敬語なのはこういうときも敬語でないとふとした瞬間タメ口になりそうだからです。
「そうですね。でも、家帰ったら家族に心配されました」
家族に敬語で話しかけたら病院をすすめられました。
そんなに私が敬語使うのがおかしかったのでしょうか?
「まあ、それはありそうだね。なんか“真希っぽくない”感じする」
そうでしょうか。
確かに違和感ありますが。
「違和感は自分でもあるんですよね」
「だよね。というか男口調じゃなきゃ普通にしゃべった方がいいよ?」
敬語にしてといったのは雪ですよね……?
「なんか変な感じするし」
このドS!
なら敬語使うの止めるよ。
「これでいいの?」
ちょっと怒り気味に言うと
「うん、なんかそっちの方が“真希っぽい”感じ」
しかしいつもとは違う優しい笑顔にこちらの怒りもおさまってしまう。
「ありがとね」
一応お礼は言っておく。
「あ、それ性格よくなったっぽい」
雪がそう言って笑う。
今度はからかうような笑み。
「そう? というかその顔で言われても嬉しくない」
眉を寄せるとその顔を見て雪が笑い出した。
失礼な。
「でもなんか性格よくなった気がするよ」
今度は真面目な顔だ。
この雪が真面目な顔する時は本当の事だ。
演技は上手くないし。
「ありがとう」
こうして私は欠点を直すことに成功した。
「でも、まだ欠点あるけどね」
「綺麗にまとめようとしたのに!」
—END—
あとがき
なんか落ち変ですいません。