コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 短・中編集(参照1100突破感謝!) ( No.96 )
- 日時: 2015/05/09 17:49
- 名前: 夕陽 (ID: 7Dg46Prl)
帰り道
「ヤバイ! もうこんな時間!? テレビ始まっちゃうよ!」
私は今、とても焦っている。
なぜなら、私が大好きなテレビが始まりそうなのにまだ高校の中だからだ。
あと20分でテレビが始まる。
けれど私の家まで自転車で最速で飛ばしても25分はかかる。
……いつもの道ならば。
「やっぱり今日は近道で帰ろうかなあ……?」
「やめときなよ! 凛も一応女の子なんだよ!? 暗い道いくと危ないよ?」
「一応って……」
しかしその呟きに反対する意見が隣にいる結から出た。
結は中学からの友達だ。
そのため、登下校は一緒にしている。
「でも、私はテレビが見たい!」
「じゃあ一人で行ってね。私は普通の道で帰るから」
冷たい子だ。
ついてきてくれてもいいのに……。
まああの道は不審者は出ないけどすごく暗いし普通の女の子である結は嫌がるだろう。
私は夜なんて怖くないから大丈夫だけどね!
「でも凛は不思議だよね〜。夜は怖くないのにお化け屋敷は苦手だもんね〜」
「うぐっ!」
だ、だってあれは怖いじゃん!!
ジェットコースターは平気だけど。というかいつも三回位乗って皆にびっくりされるけど。
「と、とにかく途中まで一緒に帰ろう?」
「そうだね。いくよ」
私達は一列になって自転車をこぐ。
本当は広がりたいけど、他の人の迷惑になるのでやめている。
それにこのままでも十分会話できるし。
「本当にそっち行くの?」
「うん。急ぎたいし」
途中の路地で別れる。
それにしても本当に暗いなあ。
自転車のライトが心強い。
そんな感じで走っていると……、
「にゃあ」
「ふえ!?」
今の声何!?
怖いんだけど!!
そのおびえからかハンドルが曲がり自転車のライトが電信柱の近くを照らす。
「にゃあ」
「なんだ、猫か……」
どうやら猫だったようだ。
エメラルドの瞳が私を見つめている。
「可愛いなあ……」
私はしばらく猫を見ていると、はっと我に返る。
「いけない! テレビ!!」
しかし、ふと疑問が胸によぎる。
この猫、なんでここにいるんだろう?
もしかして……捨てられたの?
確か明日の天気予報は雨だった。
というかしばらく台風の影響で大雨のはず。
このまま放置されたらこの猫は……。
「どうしよう……?」
「どうした?」
「こ、今度こそお化け!?」
いきなり声をかけられてビクッと肩が震えてしまう。
「いや、人間だけど……」
振り向くと私の高校とは違う制服を着ていた男の子が立っていた。
声は中性的だったけど、ズボンだから男子で間違いないだろう。
「で、僕の質問に答えてくれない? そこに突っ立っていられるとこっちも困るんだけど……」
「あ、ごめんなさい。猫を見つけたもんで……」
私はそう言って猫を抱き上げて見せる。
その時、その小ささに驚いてしまう。
「首輪はついてないし、ダンボールの中に入っていたようだから捨て猫だな……。最近になってここに捨てる人多いんだよ」
その男の子は苦しそうに言う。
私もその事実に目を見開いてしまう。
「そんな……」
「僕の家、親が二人とも動物好きだから引き取っていたんだけど最近は食費やら予防接種やらで大変で引き取れないんだよ……」
「引き取りたいけど、私の家はマンションでペット禁止なんだよね……」
「しょうがない、とりあえず僕の家持ち帰ってみるよ。親戚にでもあたってみる」
「なんかごめんね。私が見つけたのに……」
押し付けてしまったことに罪悪感を感じてしまう。
「いや、これ位平気。というか、僕がやりたいだけだし」
ペコリと頭を下げて自転車に乗る。
そして数メートルゆっくりこいで、
「あ、そういえばテレビ!」
私は何のためにここに来たのか思い出し急いで自転車をこいだ。
* * *
あとがき
本当に久しぶりですみません……。
しかも内容が意味不明ですみません。
テストがそろそろ近いのでしばらく更新できないかもしれません……。