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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 短・中編集(参照1200突破感謝!) ( No.98 )
- 日時: 2015/07/12 20:31
- 名前: 夕陽 (ID: WOWRJwNN)
小さくても
「振られちゃった……」
目が赤いのを隠し切れず彼女は呟いた。
彼女は近所に住む女子大生であり私より7歳ほど年上だ。
いつも構ってもらえて一人っ子の私はお姉ちゃんみたいだとひそかに憧れていた。
そんな彼女が今、泣いている。
大きな瞳から涙がボロボロ流れている。
中学生の私は何も言えない。
大丈夫だよ、とか新しい恋を見つけよう、なんていっても彼女は救われない気がした。
それくらい彼女はあの人のことが好きだったのだ。
こういうとき、大人だったら励ますことが出来るだろうか?
こういうとき、もう少し人の気持ちが考えられれば彼女の気持ちを軽く出来るだろうか?
あいにく私はそういう人間ではない。
それゆえに彼女の泣いている場面に遭遇してこうしてあたふたしている。
「泣いても、いいですよ。ただ、泣く前に私に頼ってください」
よく分からないうちに変な言葉が出た。
彼女はその言葉を聞いてきょとんとしている。
驚いたのか、涙が引っ込んだようだ。
「ありがとう」
安らかな笑顔で彼女は言った。
私が呆然と立ちつくしていると
「またね」
といってマンションの部屋に入っていった。
少し安心したような横顔が目に残っていた。
* * *
あとがき
急に書きたくなりましたw
「彼女」の方の話も書いてみたいなあ……。
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