PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 短・中編集(参照1300突破感謝!) ( No.99 )
- 日時: 2015/08/05 14:02
- 名前: 夕陽 (ID: WOWRJwNN)
小さくても〜彼女視点〜
「ごめん、もう君とは付き合えない」
私は喫茶店で振られた。
それまで聞こえていた音や色が全て失っていく。
「そっか……」
やっとのことでそれだけいい席を立つ。
「分かった。じゃあね」
飲みかけのコーヒーを置いて私はフラフラと外に出た。
* * *
どうやって帰ってきたか分からないが私はマンションの前に来ていた。
——好きだったのに。
今まで我慢していたが、家の前で誰もいなかったから涙が出てきた。
そのとき、隣で扉が開く音がした。
そこには7年前からの知り合いの真子ちゃんがいた。
泣き顔に驚く彼女に、
「振られちゃった……」
と今の状況を呟く。
突然の言葉に驚いたのかあたふたしている。
言ってから私はこんなこと真子ちゃんに言わなくてもよかったなと後悔した。
「泣いても、いいですよ。ただ、泣く前に私に頼ってください」
しかし彼女は、私の目を見て真剣にそんなことを言ってくれた。
7年前の彼女からは想像もつかないくらい意志のはっきりした言葉で驚く。
「ありがとう」
いつまでも子供じゃないんだな。
分かっていたことだけど、彼女を見て改めて実感してしまう。
私もがんばらなきゃ。
そう思えることによって少しは笑顔になれた気がした。
「またね」
私はこれ以上引き止めてはまずいと自分の家に入った。
これからがんばろうと決意して。
* * *
あとがき
前回書きたいといっていた彼女視点です。
ちなみに彼女は高校生の時からマンションに一人暮らし→大学四年生まで同じ部屋という設定です。
次はどんな話にしようかな……?
PR