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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 神の憩い ( No.14 )
- 日時: 2014/05/05 21:24
- 名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
わたしは中学一年生だ。
現在、孤児院の中で、一番年齢が高いものだから、
まわりをまとめたりする役に適任されていた。
勿論、ちゃんとわたしたちを見てくれる葵先生という優しい先生が居て、園長先生もいるのだが、
ずっと長いことお世話になっているし、こういうのは嫌いじゃないから、進んで手伝ったりしていたのだ。
今は、憩いの森公園に遊びに行こうとしていたところだったが、おばさんが来たので急きょみんな おやつタイムとなった。
「黎さん、今日は、おばさんの家のハーブと、サンドウィッチみたいですよ!!」
と、孤児院内で、わたしの次に年齢が高い小学五年生の藍奈が言った。
「そうね…。あい、サンドウィッチ大好きだものね」
「そうですよ!!」
もうあの味が溜まらない!
と、めちゃめちゃ笑顔でつぶやく藍奈。
おもわず、可愛いなあと思ってしまう黎である。
実は今度、孤児院で東京に旅行することになっていたんだけれど、
その準備のときに藍奈が
サンドウィッチのキーホルダーを鞄にしているのを見て、知ったのである。
「———これ、形見なんですよ。母が祖母にもらったもので、それを母が他界する前に頂きました。」
と丁寧に教えてくれたのだ。
(そういうの 良いなあ)
どうしても可愛い藍奈がいつも羨ましくなる。
藍奈の名字は「鈴川」というのだが、わたしには、名字が無い。
名字が無かったから、園長先生が、三月半ばごろに この孤児院に捨てられていたから。
と、三月の暦である、「弥生」とわたしに名字をつけてくれた。
それはそれで嬉しいけど 本当の名字が気になるところである。
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