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Re: 神の憩い ( No.15 )
日時: 2014/05/06 09:05
名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode



(——また)

わたしは最近、この黎という女の子と、翔太という男の子の夢しか見ない。

——…ここで、あの二人の祝福を願うばかりだ。


ついさっき、わたしは長い眠りから覚めて、今は夢を見てない。


「かえで——」 




(翔太・・・くん?)



「——す」


(何を言ってる…の?)

薄々しか聞こえない。



(あ…あ・・・)

行っちゃう。


わたしから 離れて行ってしまう。




(なんで来てくれるの)



わたしが寂しくなるだけなのに。
わたしはしゃべれないのに。


あなただって つまらないはずなのに。





        ф





黎たちは、東京へ来ていた。


「人おおっ!!」
東京の街並みを歩いているのだが、「人」「人」「人」

孤児院の小学二年生から、ついこの前 孤児院から巣立った高校生の女の子、それから社会人の人までが、今回の旅行に参戦しているのだが、何度着ても東京は迷子になりそうだとつぶやいている。


「遥花さん・・?お久しぶりです!」
半年ぶりかもしれない。

藍奈は、一際大きくなった、遥花の背中に声をかけた。

前、孤児院にオモチャを届けてくれたきりの、孤児院で働く保育士を目指す、遥花さんが居た。

「あら、藍奈ちゃん。背、伸びたねー」
人当りがソフトで、きさくな人だった。


「藍奈ちゃん、遥花ちゃん、黎しらない?」
葵先生に言われて、遥花があ。っとなった

「どこだろ?わかんないです」
と思ってくるりと斜め後ろを見ると、だれか女の人としゃべっている黎が居た。

「———ん?。もうー…黎ったら何やってるのよー、ああいう人、黎は優しいから振り切れないのね。」
と、笑顔で葵先生が、だれか女の人に捕まっている黎の方へ向かう。


「どうしたの黎。黎に何か用ですか。」
先生の後ろから藍奈も向かう。

先生が、女の人に向かって言った。


「———あ、いや。この人、スカウトの人だって。」
黎はしどろまどろに答えた。

「え。スカウト?なんの?」
と、葵先生も驚いた様子だ。