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Re: 神の憩い ( No.4 )
日時: 2014/05/05 20:02
名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

隣の個室から、

たまに、聞こえてくる音が



妙にリアルだった。


小鳥のさえずる声と、
暖かな陽射し———…


なんて、

神秘的なものは、なくて。



ただ、 人の息遣いが、聞こえるだけ——…

         ф

暇でもない つまらないわけでもない。


——ただ、動けないだけ。

眠ったわたしの想像の中では、楽しく動き回ってるから、つまらなくはない。

でも、現実には動いてない。


自力では動けず、食べられず、意味のある言葉をしゃべれない、意思の疎通ができない

それが3カ月以上続く場合が


わたしが今 陥った


「植物状態」


平均3年程度の余命だが10年以上生きる患者も少なくない。と言われているけど。
結局何もできない。


植物状態は、何も考えない。
心臓だけ動いている

無の状態と言われていたけど

わたしの場合は、まだ魂が宿ってるみたいだね。


———夢を見れるの。

その夢を見た後 考えることも出来るの。
わたしが今、

自分が今、植物状態なんだってわかってるの。
まわりが聞こえるから。

人の声もね。見えないけど聞こえるから。

でも、植物状態の人が 考えることができるって 
凄いことだと思わない?
たぶん、科学的に有り得ないよ。



——でもね

しゃべれるのも、動けるのも

夢の中の世界だから。




逆に言えば、


現実の世界では

考えることしかできない。





——だから、やっぱり

わたしは


植物状態。

と表向きで言われるしかないのよね。