コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺の学費=彼女達の家庭教師代(勉強ネタ多め) ( No.16 )
- 日時: 2014/05/09 22:29
- 名前: 夕陽 (ID: p8.Ij.U2)
5時限目 理科 茎・根のつくりとはたらき
「植物には維管束と呼ばれる部分がある。この維管束は何と何という管で出来ているか」
「道管・師管」
メアリはいつも通り丸っと。
「道官・師官」
おしい。草冠が必要だ。……緑はこういううっかりミスをなくせば結構いい線いくと思う。
「気管」
……確かに管はついてるけど、維管束には入ってないだろ。それに「何と何」って聞かれているのに一つしか答えないなんて変わっている。
「とりあえず、真田先輩はなぜこの答えになったのか聞かせてください」
「僕の回答は完璧すぎたからもう教える必要はないということか。では、もう帰らせてもらう。さらばだ!」
勝手に納得して教室から出ようとする、というかもう出ている。
忍者もびっくりの身のこなしだ……。
「感心してないで、捕まえないと」
メアリが真田先輩を追うが追いつかないだろう。
まあ、近くの喫茶店に隠れているだろうしすぐ見つかると思うが。
予想通り喫茶店にいた真田先輩をほぼ強制的に教室に連れ戻し、授業は再開した。
「で、始めに維管束は何か分かっただろうから、道管と師管について説明するな。ちなみにこの二つは栄養や水などの通り道だ。覚え方は水道管=水を運ぶ道管、もう一つは養分を運ぶ師管が一番有名だろう」
「そうなのか? はじめて知った」
……この人、陸上できていてよかったな。
そうじゃなきゃ高校なんてとっても無理だろう。
「ちなみにここまでで質問は?」
一つ手が挙がった。
「じゃあ、緑。何が分からない?」
俺の質問に緑はいつも通りのんびりした感じの声で答える。
「漢字の覚え方です〜。私はどうしても草冠がつくのか、つかないのかすごく悩むんです〜。どうすれば覚えられますか〜?」
そういえば、さっきの問題でも間違えていたな。
「じゃあ、こういう覚え方はどうかな? 植物は草もはいるだろう? で、道管と師管は植物の持つものだ。だから、草冠が必要」
「なるほど〜。ありがとうございます〜」
緑が席に着いたのをみて、次の所へ進める。
「次は根についてだ。根には二つの種類がある」
「主根と側根だろ?」
真田先輩が、これくらい余裕だろというような顔でどうどうと間違えた。まあ、確かにどっちも実在してるけど。
「まあ、ある意味正解だ。ちなみに俺が答えてほしかったのは主根と側根で一つ、もう一つは——」
「ひげ根」
間髪を入れずにメアリが正解を口にする。
「そうだ。で、それぞれの違いは分かるか?」
「……主根と側根は、主根が主となって、側根が主根から生えている。縦に長い。ひげ根は、どれも同じ位。横に広い」
「ちなみに根の先端近くにはあるものが存在する。なんだと思う?」
「羽毛ですか〜?」
緑がふわふわとした笑顔で答える。
残念ながら間違いだ。
「……根毛」
「そうだ。根毛だ。ちなみに根毛はなぜ存在する?」
「なんとなく」
「真田先輩は黙っていてください」
「……水や水に溶けた無機養分。それらを効率よく、吸収するため」
もう、理科はメアリに任せてもいいんじゃないだろうか?
そんなことしたら学校行けなくなるから言わないけど。
「じゃあ、最後に一つ。今日はこれで終わりだ」
この言葉にある一人の顔が輝いた。……誰とは言わないが。
「この前、網状脈と平行脈をやったよな? それとこの維管束とはつながっているんだ。あと、根もな」
そういいつつ、ホワイトボードに表を書く。
葉 網状脈 | 平行脈
脈 |
——————————|————————
維 輪のように | ばらばら
管 並ぶ |
束 |
——————————|————————
根 主根 | ひげ根
側根 |
「次といってももう少し後だがこれが必要になるときがあるから忘れるなよ」
そう締めくくると皆は頷いたり、微笑んだり、当ったり前だろ? というようにこちらを見たり三者三様の反応を返してくれた。