コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺の学費=彼女達の家庭教師代(勉強ネタ多め) ( No.27 )
- 日時: 2014/07/23 20:50
- 名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)
11時限目 歴史 弥生文化と邪馬台国
稲作はいつ、誰によって伝えられたか答えなさい。
「4世紀に大陸から来た人たちによって伝えられた」
メアリ、“紀元前”が抜けてるぞ。
「紀元前4世紀ごろ大陸から移り住んだ人達によって伝えられた」
緑は正解っと。
「昨日、神様によって伝えられた」
今まで俺たち米食ってなかったのかよ!
あと、神様によって伝えられたってテレパシーでも使ったのかよ!
他にも突っ込みたいことはあるがそんな事をしたら勉強時間が減ってしまう。ぐっとこらえいつも通りホワイトボードの前に立った。
「今日は縄文時代から一歩進んで弥生時代だ」
「次は平安時代か?」
「まだですよ。この後さらに古墳時代、飛鳥時代、奈良時代でやっと平安時代です」
「先は長いな」
なんか悟ったような表情でいわれた。
「とにかくがんばりますよ」
そういうと真田先輩はしょうがないなあというようにこちらをみる。
「はじめに、この時代では高床倉庫を作った。ちなみにこれにはねずみや湿気から米を守る工夫がたくさんされているんだ。何があると思う?」
「ねずみや湿気を察知するとロボが現れる」
「ずいぶんハイテクですね……」
「倉庫を高くして高くした部分に板をつけてねずみが登れないようにしたんですよね〜?」
そういって前に出てきてホワイトボードに書いてくれる。
「こんな感じです〜」
緑の描いた絵はこんな感じだった。
| |
| 倉庫 |
| |
———————————————————— ←この出っ張った部分
| | がねずみを登らせな
| | させる。
まあ本当はもっと上手だったが。
「うん、オッケー。あと稲作と同時に入ってきたものがあるんだ。なんだと思う?」
「金属器、だろ?」
真田先輩が正解を口にする。
「正解です。詳しく言うと青銅器や鉄器ですね」
俺が付け加えるとメアリが
「弥生土器とそれはちがう?」
ときいてきた。
「弥生土器も同じようなもんだよ。特徴はやや高温で焼かれた赤褐色の薄めで硬い土器だ。このころの文化を弥生文化、時代を弥生時代というから覚えておけよ」
三人がメモをするのを横目に確認し、次に進める。
「で、こうなると段々社会の仕組みが変わり人々をまとめる有力者が出てくる。そして中国の漢書には紀元前後頃、倭には100あまりの国があったらしい。なかには漢に使いを送る国もあったと記されているな。あと、後漢書には皇帝から金印を授けられたとあり江戸時代に志賀島で発見された『漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)』と刻まれた金印はそのときのものという説が有力だ」
「かんわのなのこくおう?」
メアリが呟いてノートに書き込んでいる。
「ああ、そうだ。次、いっていいか?」
皆に確認を取ると
「ちょっと待ってください〜」
緑だけ書き留めてないようなので少し待つ。
「いいです〜、お待たせしました〜」
終わったようなので続けよう。
「次。邪馬台国についてだ」
「邪馬台国……?」
メアリが首をかしげる。
「日本列島にある国だ。魏に朝貢したんだが……。朝貢って分かるか?」
「朝貢とは中国の皇帝に貢物を贈って代わりに国王の地位を認めてもらうことです〜」
緑の回答は勿論正解だ。
「緑、すごいな」
「えへへ〜、頭なでてくれてもいいですよ〜?」
そう褒めると緑は上目遣いにこちらを見上げてきた。
こういう場合、頭をなでてもいいんだろうか?
少し不安になったが軽くポンと手を頭に乗せる。なでるとはちょっとちがうけどこれ以上は恥ずかしい。
「光、顔真っ赤ですよ〜?」
「う、うるさい! 次いくぞ次!」
指摘されたので急いで話題を変える。
「…………」
するとなぜかこちらをみていたメアリと目が合った。
「どうした?」
「……別に、緑だけなでてもらって羨ましいとかじゃないし」
聞いてみると淡々とした返事が返ってきた。まあとくに意味はないだろうしいいだろう。もともとこういう子だし。
「で、次。魏の歴史をしるした三国志の魏書の倭人伝には邪馬台国の女王卑弥呼が倭の小さな国を従えていてその中ですでに身分の違いが生まれていたことなどいろいろなことがかかれていたんだ。邪馬台国は近畿説と九州説に大きく分かれているらしい」
そこまで言って
「今日はここまで。明日は大王の時代をやるからな」
今日の分を締めくくった。
いつもならそれで終わるはずだったのだが、
「今日、一緒に帰ってもいい? あ、あの分からない所があるから」
とおずおずと申し出てくる声があった。
メアリだ。
「ああ、いいぞ。どこが分からないんだ?」
一瞬、なぜここでやらないのかと思ったが当たり前だろう。完全下校時刻をすぎてしまうからだろう。
そんなこんなで俺はメアリを家に招き勉強を教えた。
そのときいろいろとトラブルがあったがそれは別の話。