コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺の学費=彼女達の家庭教師代(勉強ネタ多め) ( No.30 )
- 日時: 2014/08/22 14:09
- 名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)
13時限目 歴史 聖徳太子の政治改革
聖徳太子が定めた役人の心構えを示す憲法をなんていうか。
「冠位十二階」
それは家柄にこだわらずに才能や功績のある人物を役人に取り立てるための制度だ。確かに聖徳太子が決めたが……。メアリは日本語苦手と聞いていたが問題文は読めてるよな……?
「十七条の憲法」
緑は正解。ちなみにこれは仏教や儒学の考え方が入っている憲法だ。
「冠位十二階の憲法」
なんか合わさってる!! こんなバカな事考える人いるんだな……。真田先輩の解答はなんかいろいろずれている。
「じゃあ今日も始めるか」
丸付けが終わったので顔を上げると三人もそれぞれしていたことを止めてこちらを見る。
「6世紀ごろ、日本では地方の豪族が反乱を起こしていた。そのなかでも特に蘇我氏や物部氏などの豪族がそれぞれの支持する皇子を大王にしようとしていたんだ。この争いを和らげるために女性である推古天皇が即位するとおいの聖徳太子が摂政という位についたんだ。それである人物と一緒に政治制度を整えようとしたんだが誰か分かるか?」
「蘇我馬子ですよね〜?」
緑がすぐに答えを出す。
「正解。じゃあどういう政治にしようとした?」
「中国や朝鮮に学んで大王を中心にしようとした〜。それで作ったのが冠位十二階と十七条の憲法〜」
またまた緑が答えを出す。
「そうだな。冠位十二階と十七条の憲法は問題に出たから解説も飛ばすな」
そこで一息つき皆を見回す。
特に困ってそうな顔をしてないので大丈夫だろう。
「次は中国についてだ。6世紀末に隋という国が出来る。そこで日本は607年、隋に小野妹子達を送った。更に数回にわたって送られたんだがこのことをなんという?」
「隋に送った使いじゃないのか?」
真田先輩が当たり前というように言った。
それじゃ問題にならないだろ!
「違いますよ……」
「遣隋使、ですよね〜?」
緑が答えを口にする。
というか本当に三人とも学年順位下から3番以内に入ってるのか?
前、学園長から聞いた言葉に耳を疑いそうになる。
真田先輩もたまに鋭い事をいうし。
「で次は飛鳥文化。6世紀の半ばに仏教が伝えられたんだ。それで皆は仏教を信じるようになった。それは何故だ?」
「自然の神様を信仰していて素朴な死後の世界を考えていたけど壮大な仏教の教えに圧倒されたから〜」
「……祖先の、死後の世界での幸福を祈るため?」
「病気回復の手段だろう」
緑、メアリ、真田先輩と順に回答が続く。
「皆正解だ。緑は分かると思ったけどメアリや真田先輩も分かるなんてすごいな。あ、バカにしているわけじゃないぞ?」
「えへへ〜」
「……褒められた、嬉しい」
「これくらい当たり前だろ」
三者三様の返事をしてくれた。
もっと褒めたいと思ったがこれ以上は流石に授業が進まなくなる。
最近皆もやる気を出してくれたのに授業をしないともったいない。
それに学園長に「中間テストは楽しみにしてるよ」って言われたしここでがんばらないと退学になるかもしれない……。
まだ親の収入安定してないし。
「それで話は戻すぞ。この仏教の文化を飛鳥文化っていうんだ。代表的なのはやっぱり世界最古の建物、法隆寺の釈迦三尊像かな……」
今日はここで終わりだ。
ちょうど時間も下校時刻だしぴったり終わってよかった……と安堵のため息が出そうだ。
「光、ちょっとお願いがある」
真田先輩に声をかけられたのは解散しようとした矢先のことだった。
後ろにはメアリと緑も立っていて三人のお願いなのかな? と考えた。
「中間テスト、あと少しだろ? だから授業の時間を長くしてほしいんだ」
意外といえば意外だが彼女達は最近結構勉強をがんばっているらしいのでその提案に特に驚くこともなく俺は言った。
「ああ。いいぞ。明日から増やすか。下校時刻は守らないといけないから俺の家でやるかもだけど……」
図書館だと大きい声出せないし……。
「別に大丈夫」
「私もいいですよ〜。でもお邪魔じゃないですか?」
「もちろん行くぞ」
案外あっさり認めてくれたのでしばらくの間、俺の家でも勉強会をやることになった。