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Re: 俺の学費=彼女達の家庭教師代(勉強ネタ多め) ( No.33 )
日時: 2014/09/20 00:23
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

15時限目 歴史 奈良時代の人々の暮らし・天平文化

奈良時代にあった税を全て答えなさい
「祖・調・庸・防人」
 残念ながら祖が違う。正解は租だ。メアリは漢字の間違い多いよな……。
「租・調・庸・防人」
 緑は正解っと。
「租・調・庸・守り人」
 最後がなんか違う! 似てるけどなんか違う!
 真田先輩はいつもどおりだ。

「えっと今日は奈良時代の人々の暮らしからやるか。
 まずはじめに今日やった問題のように四つの税があった。
 租は口分田と呼ばれる田があって面積に応じて負担しなくてはならず成人男子はその他にもほかの三つの税も課された。
 こうした税は国や郡などの倉庫、調・庸は役人への給与になったんだ。
 そして貴族はこうした税を免除され高い給与や多くの土地が与えられたんだ。
 ちなみにこれらの特権は子孫にも引き継がれたんだ。
 貴族ならその子孫も貴族。奴婢ならその子孫も奴婢というように。
 さらに身分違いの結婚は禁止されていたんだ」
「つまり蛙の子は蛙ってことですね〜」

 そういう意味なのだろうか。
 なんか違う気がする。

「じゃあ次な。
 人口が増加して口分田が少なくなると幕府は開墾をすすめた。743年にある法律みたいなものを出したんだが何かわかるか?」
「……三世一身の法?」

 残念ながら違う。それは723年だ。

「墾田永年私財法ですよね〜?」

 緑はあっさりと正解を出した。流石だな……。

「正解。それで土地を売ることが可能になり貴族や寺院などは農民を使って土地を増やした。それらの私有地は荘園と呼ばれるようになったんだ」

 そこまで言って時計をちらりと見る。
 どうやらもうそろそろ時間のようだ。

「じゃあ俺の家来るか?」

 そう訪ねてみると三人は

『もちろん(ですよ〜・だ)』

 と口をそろえていってくれた。

     *     *     *

「今日も来たんだね〜」

 向日葵はそう言ってにこっと笑う。
 見ているだけでも明るくなれる笑顔だ。

「お前も一緒に勉強するか?」

 冗談交じりに聞くと

「落ちぶれたらね」

 冗談交じりに返ってきた。
 まあ優秀だしそんなに困ることはないだろうけど。

「じゃあ天平文化についてやるか」

 俺の部屋でそう言ってみんなを見る。
 流石に4人もいると窮屈だな……。

「奈良時代には唐の制度や文化を取り入れるために遣唐使を送っていたから仏教と唐の文化の影響を受けた国際的な文化が栄えた。この文化をこの頃の年号にちなんで天平文化と呼ばれている。
 東大寺、興福寺、唐招提寺などの奈良のお寺に残る建築、仏像、絵画にも特徴はよく表れているな。

 次に奈良時代の仏教と社会について。
 聖武天皇と光明皇后は仏教の力で国を守ろうと考え国ごとに国分寺と国分尼寺を建て都には東大寺を建てた。さらに東大寺には金剛の仏像を作らせたんだ。
 また、話は変わるが行基という僧を知っているか?」
「はい、知ってます〜」
「何をしたかは?」
「……たしか一般の人々の間で普及してほかの人と一緒に箸や用水路を作った人」

 メアリが正解を言う。
 よくわかったな……。

「ああ、そうだ。じゃあ次いくか。これで終わりだからな」

 そういうとぐったりしていた真田先輩が起き上がった。
 背筋まで伸ばしている。
 どんだけ終わるの嬉しいんだよ!
 まあ突っ込んでもしょうがないので話を進めるが。

「最後は歴史書と万葉集だな。神話や伝承、記録などをもとにまとめた歴史書があるんだが何かわかるか?」
「日本書紀と古事記だろう」

 終わりと聞いてやる気いっぱいの真田先輩が答えを言う。
 しかも合ってる。

「そうです。では地方の国ごとに自然や産物をまとめたのは?」
「食べ歩きに決まっているだろう」

 違います。
 一瞬期待した俺が馬鹿だった……。

「風土記ですよね〜?」
「ああ。そうだ。
 また和歌も盛んになり奈良時代の末には万葉集が作られた。
 万葉集にはいろんな身分の人が歌った和歌がおさめられているんだ。
 今日はここで終わり。またあしたな」

 そう言って今日の分を締めくくった。