コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) ( No.10 )
- 日時: 2014/05/13 21:32
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: kphB4geJ)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
第三話『新しいクラス』
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新しいクラスになり、一週間が経った。
まだクラスに慣れていない私にとっては特に何もなく、平凡な毎日が続く。
そうすると決まって私は、過去の事を思い出したりするわけで——。
ふと、壱の姿が視界に入る。
中学二年生から中学三年生の秋まで好きだった人、珠紀壱。
高校一年生の時違うクラスだった壱は、本当にたまにしか姿を見ていなかった。
だけど久しぶりに同じクラスになり、約一年半前の気持ちが懐かしく感じる。
あの頃は普通に純粋に片想い! ……という感じの恋愛をしていたし、なんだかんだ一番楽しかった気がしたなぁ……。
壱は、昔と変わらずやっぱりかっこよくて。
かっこいい、といえばこの新しいクラスは結構イケメン揃いらしく——。
私はかっこいいと周りから噂されている人を、順番に目で追っていった。
「——……きいくんってかっこいいよねー」
「クラスの中ではきいくんが一番タイプ!」
女子の会話からチラホラ聞こえる、「きいくん」こと佐倉貴一くん。
いつもマスクをしていて、少し天然で普通にカッコイイ同じクラスの男子だ。
あの由良も前に「三組の貴一くんはかっこいい」と騒いでいたが、その時私は興味がなかったし、存在も知らなかった。
だけど今同じクラスになり、女子が騒いでいて——。
まぁ、普通にカッコイイと思った。
でも恋愛に発展するわけじゃあるまいし——。
そう思ってきいくんをチラリと見た時。
「!」
きいくんと目が合った。
思わず目を逸らし、恐る恐るもう一度見てみるともう一回目が合う。
何度も目が合ったのに対し、思わず戸惑う自分が居た。
……うん、普通にカッコイイ。
これは女子が騒ぐのもわかる。
私は小さく溜息をついた。
「——おい、もっと盛り上がってこうぜー!!」
同時に、クラスの中に響く男子にしてはやや高めの元気な声。
見た目も言動もチャラいが、かっこよくてモテる……と言われている川岸森純くんの姿が目に入った。
純くんはまだ皆慣れていないクラスを盛り上げようと、周りの男子に呼びかけている。
……が、皆戸惑ったままで。
「——ね、梅史! 写メ撮って写メ!!」
今度はそんな女子の声が聞こえたので振り返ると、一人ぽつんと机に座っている大人しい男子の姿が目に入った。
女子に写真を撮れ、とからまれているが、微動だにせず。
その男子は、確か渡木梅史くん……という名前で、髪が長く顔が隠れ気味だが——。
一瞬だけ目が合い、その隙間からちらりと見えた顔は、無愛想だが結構かっこいいものであった。
そしてもう一人、
「——須崎、トイレ行こうぜ」
「……あ、あぁ、うん」
須崎辰久くん。
友達の里見麻里が一年生の時から、密かに片想いしていた男子。
麻里いわく影ながらモテているらしいが、目鼻立ちがくっきりとして整っている為、納得。
しかし見た感じ、なんとなく大人しそう……というか、挙動不審な感じがする。
まだクラスに馴染めてないのだろうか……。
そう思いながら、私は再び前を向く。
周りのかっこいいと噂されている男子や壱を眺めては癒され、平凡な時間は過ぎていく。
そんな日常を繰り返すのが、最近の日課になりつつあった。