コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) 3話更新! ( No.13 )
- 日時: 2014/05/18 15:34
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: yghb58zo)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
第四話『人それぞれの』
そんなある日、とても暇な日があった。
そういう時決まって私は、授業中にも関わらず机の下に携帯を潜めて、こっそりとメールをしたり今流行りのLINEをしたりしていた。
いつものように慣れた手つきでLINEを開くと、同じクラスの牧葉勇からLINEが来ていた。
牧葉は一応同じ中学校だったが違うクラスで、今に至る。
たまにしか話したことがなかったし、たまにしか関わりがなかったけれど——。
『暇ー』
浮かぶ牧葉からの文字を見た後、私は牧葉の席を横目で見た。
……なるほど。
奴も、携帯をいじっている。
私も暇なので、世間話でもしよう。
そう思い、牧葉とLINEを続けていた。
**
授業中暇だね、とか、お腹すいた、とか。
そんなくだらない話をし続け、数分が経った。
そんな時、牧葉からいきなりこんなLINEがきた。
『みずえまって恋愛しないの?』
恋愛——。
思わず孝仁の顔が思い浮かぶが、すぐに頭の中から消した。
『今はしてないかなー』
『しないの?
可愛いのにもったいない』
可 愛 い だ と ?
私のどこが可愛いのだろうか。
そう疑問に思うが、可愛いと言われて少しだけ嬉しかった。
しかし、どうせお世辞だろうとすぐに我に返る。
牧葉は結構女の子絡みがあるしね……。
『したいけど自分に自信がないというか……ww
可愛くないよ!
でもありがとう、お世辞でも嬉しいよw』
『お世辞じゃないから!
クラスの男子、結構みずえま可愛いって言ってるよ』
牧葉の文章を見て、思わずフリーズ。
そんなことがあるわけがない。
だって私のクラスには、クラス一……いや、学年一可愛いと言われている美少女——杉名美々ちゃんがいる。
私、知ってるもん。
美々ちゃんが廊下に出るとき、すれ違った教室にいる男子が皆して「可愛い」と言ってるのを。
そんな光景を、よく見ているわけで。
『嘘つくなww
クラスの男子、みんな美々ちゃん狙いでしょww』
『最初はね…
でも年上の彼氏がいるからーってなって、みんな騒がなくなった』
確かに、美々ちゃんには彼氏がいる。
めちゃくちゃ可愛いもん、あの子。
あれは誰だって惚れるし、女の私でも見とれてしまう。
『まじかー……でもめっちゃ可愛いよね、美々ちゃん!』
『俺はあまり好きじゃない』
『え。……まぁ、人それぞれのタイプがあるもんね』
そこで授業終了のチャイムが鳴り、会話が終了した。
私は携帯を閉じ、ブレザーのポケットへしまう。
「……はぁ」
人それぞれのタイプ——かぁ……。
私は自分の送ったLINEの内容を見て、小さく溜息をつく。
孝仁は私がタイプじゃなかったから、私より美紀ちゃんを選んだ……んだよね。
タイプなんて人それぞれだから仕方がないけれど。
そう考えたら、なんだか少しだけ悲しくなってしまった。