コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) 3話更新! ( No.14 )
- 日時: 2014/05/18 15:46
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: yghb58zo)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
第五話『二人の記念日』
四月十五日は、私……水城依麻の誕生日。
今年は彼氏に祝ってもらうこともなく、友達の里田由良に祝ってもらった。
楽しい時を過ごし、満足のまま無事に十七歳になったが——。
その三日後の今日、四月十八日。
今日は孝仁と美紀ちゃんが付き合って二ヶ月記念日。
やはり今月も私にとって、嫌な日である。
「……はぁ」
溜息をつきながら、朝起きて見た美紀ちゃんのLINEの一言には、
『今日が来たね! これからもずっと好き(笑)!』
——朝から腹を立てている、そんな自分に腹が立つ。
それを紛らわす為、最近は壱との思い出を振り返り、孝仁との思い出を無理矢理にでも消せるようにと頑張っていた。
だけどやはり、美紀ちゃんと孝仁に関わることを思い出してしまうと、どうしても気になってしまい——。
あぁ、こんなんじゃ駄目だ!!
私は振り切るように勢いよくベッドから起き上がり、準備をして学校へと向かった。
しかし、
「……あー、くそ」
学校に着いてもイライラは消えず。
授業中は牧葉とLINEをして、気を紛らわすようにしていた。
何かしていないと孝仁を思い出しちゃうだなんて、困った脳みそになってしまったもんだ……。
そう溜息をついた時、
「——ま、依麻」
小声で私呼ぶ、そんな声が聞こえた。
誰だ、何だ? 私はきょろきょろと声の主を探す。
「みーずーえーま」
声の主はそう言い、私はハッとした。
私を「みずえま」と呼ぶなんて——。
牧葉しかいない。
「……ん?」
横を見ると牧葉と目が合い、私は少しだけ眉間にしわを寄せた。
ク ラ ス 中 の 注 目 を 浴 び て い る
周りに友達がいないので、授業中いつも無口な私。
そんな私がいきなり授業中に——……しかもクラスのムードメーカーでもある牧葉といきなり話しだしたら、そりゃあ注目も浴びるだろう。
見事なくらい皆こっちを見ているため、私は思わず牧葉から視線を逸らした。
「まじお前のLINE、笑えるんだけど」
牧葉は満面の笑みで、私に向かってそう言った。
そこまで面白いことを言ったつもりではなかったが——。
「あ、あはは」
私はとりあえず苦笑いをし、再び黒板の方を向いた。
いきなり注目を浴びるなんて思っていなかったから、心臓がバクバクしてる……。
牧葉に少し冷たい態度になってしまったので、謝罪の意味を込めて再びLINEで会話をした。
**
「……疲れた……」
私はカバンから弁当を取り出し、そう呟いた。
やっと、お弁当の時間だ……。
なんだか、今日はいつも以上に学校が長く感じる。
私は弁当箱を開け、ひたすら箸を進めた。
新しいクラスになってもうすぐ二週間が経つが、私は沙菜以外の友達が出来なかった。
沙菜は同じクラスの子とお弁当を食べているので、一人弁当は当たり前だ。
もともと私は食事に集中しすぎて食事中は無口になるので、ちょうどいいのだけれど。
そんな感じでいつものように弁当のおかずを口に詰め込み、ふと前を見た。
今日は、壱が私の視界に入る位置で食べている。
そう思いながら思わず壱に見とれていると、壱と目が合いかけた。
動揺してしまい、それを紛らわす為にお茶を飲み干す。
その瞬間、お茶が思い切り器官に入ってしまい——……。
「ぐ、ぶェッフォ! げほっ」
しーん。
一気に教室が静まり、私に注目が集まった。
見事に……むせた。
しかも汚すぎるむせ方。
「……げほっ、あー、おっほん」
恥ずかしいいぃぃぃぃぃぃぃい!!
私は咳をしたんです決してむせたんじゃありません、というアピールをしながらわざと咳をしたが、時すでに遅し。
男子の方面から、笑い声が聞こえた。
「……っ」
ぎゃああああああああああああああああ!
私は慌てて弁当を片づけ、素早く立ち上がり教室から逃げた。
絶対むせてたの笑われた!
というか壱に見られてた絶対!!
いやぁあああぁああ!!
私は心の中で叫び声をあげ、ひたすら廊下を走っていた。