コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) 6話更新! ( No.21 )
- 日時: 2014/06/29 22:50
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 6Ex1ut5r)
- 参照: 好きでいたって 歪んでく内声
第七話『欲張り思考』
「……携帯忘れたし」
学校に着き、ブレザーのポケットを探って私は溜息をついた。
最悪だ、授業中暇だ……。
朝のヘビーな話といい、これといい。
なんだか朝からテンションが下がった。
「依麻、トイレいこー」
「あー……、うん……」
沙菜にそう誘われ、ふらふらと教室から出ようとした。
その時、
「!?」
目の前に、スナック菓子の袋が現れた。
え、え、え……?
私は驚いて、顔を上げる。
スナック菓子を差し出してきたのは——……。
「……ん」
牧葉、だった。
……え、くれるの?
私は驚いたままフリーズをしていた。
しかしやっぱり、牧葉はスナック菓子を私に向けて差し出したままで。
「……あり、がとう……」
戸惑いながらも、一つもらった。
も、もらってよかったんだよね? 勘違いじゃないよね!?
そう思いながらもう一度顔を上げる。
一瞬だけ牧葉の隣に居たきいくんと目が合いかけたが、すぐに顔を逸らされた。
「お菓子どうぞー」
「ありがとう」
それと同時に、私の後ろに居た沙菜も牧葉からお菓子をもらっていたので、とりあえずホッとした。
**
その後も、いつものように授業が進み退屈な時間が過ぎ——。
頭の中はからっぽだが、視界に入る壱などのイケメン達を見ると、やっぱりカッコイイな……なんて思う。
「好き」って訳じゃないけれど、思わず見とれてしまう。
……そんな、感じ。
だから誰かと目が合うわけでもないし、何もない。
カッコイイ男の子を見て素直に「カッコイイ」と思える私は、一応まだ若さが保てている……のか?
周りのイケメンを見て騒ぐ女子たちを見てると、そう思う。
孝仁と別れて約三ヶ月。
復縁も一ヶ月とちょっとだけだったから、それを除いたら五ヶ月くらい経っている。
孝仁がいない教室にも、もう慣れたけれど。
まだこんな感情のままなのに、私は果たして前に進めてるのだろうか。
進めるの……だろうか。
でもちゃんと進まなきゃ。
人生何があるかわからないし、うん。
孝仁を忘れられるくらい、何か大きな出来事がないかなぁ……。
何か面白いこと、ないかなぁ。
——なんて、ちょっぴり欲張りになる自分が嫌になる。