コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) 6話更新! ( No.22 )
- 日時: 2014/06/29 23:08
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 6Ex1ut5r)
- 参照: 好きでいたって 歪んでく内声
第八話『謎の声援』
時の流れは残酷で、
いつだって私を置いて進んでいく。
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その日、音楽のテストがあった。
私のクラスは音楽選択者が多いので、他のクラスが混ざることなく一クラスだけで授業をしている。
だから壱もボスもきいくんも牧葉も沙菜も、みんな一緒だ。
テストは個別の部屋で行われるため、音楽室は騒がしかった。
男子は窓の方へ行き相変わらず変な事をしていて、女子はピアノ側でおしゃべりをしている。
私も沙菜と世間話をして、時を過ぎるのを待っていた。
「——あ、次依麻の番じゃん」
私の前の子が戻ってきて、沙菜にそう言われる。
私はハッとし、立ち上がる。
「ほんとだ、ちょっくらいってきますわ」
「頑張れ〜」
沙菜に応援をされ、私はやる気を出してドアの方へと向かった。
すると男子は皆こっちを向き始める。
……え、何何何何。
そう慌てながらも男子に背中を向けてドアに手を掛けた瞬間、
「頑張って!」
「頑張れー!」
「頑張れbyボス」
応 援 コ − ル 多 数
え、え、え!?
突然の男子からの応援コールに、私は戸惑いながら小さくお辞儀をして慌てて逃げた。
焦り過ぎて、違う個別の部屋に行ってしまったのは秘密。
**
なんとかテストが終わり、私は音楽室のドアを開けた。
すると再び男子は私の方を向く。
……ん、デジャヴ?
「おつかれーっ!」
牧葉がそう言い、私は「ありがとう」とお礼を言う。
すると牧葉の声が合図になったかのように、
「おつかれ!」
「おつかれー」
「お疲れ様!!」
誰が誰だかわからないが、今度は男子からのおつかれコール。
私は軽く微笑んで、自分の席へと向かった。
「依麻、お疲れ〜」
「ありがとう、沙菜!」
沙菜に笑顔を向け、自分の席に着き、ひたすら考える。
応援コールといいお疲れコールといい……。
嬉しいけれどいきなりなんなんだ!?
こういうのが慣れていない私にとって、嬉しくもあり恥ずかしくもあり——……。
どういう反応をしたらいいのか、わからなかった。