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Re: *再恋華*(実話) 8話更新! ( No.27 )
日時: 2014/08/04 00:21
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: /VrbMqLC)
参照: 好きでいたって 歪んでく内声

第十一話『視界の隅の幸せ』


二年越しの気持ちも、


……アリかも、しれない。




**


完全に壱を意識するようになってしまった私。
それ以来、しっかりと壱を目で追いかけるように。
この日の朝も、自転車置き場で壱と遭遇し——。
すぐ近くに自転車を止め、壱が一瞬こっちを向いたのが視界の隅に入った。
だから私も壱を見るが、壱はちょうど前を向く。


……あー、やっぱりかっこいい……。
まだ確実な気持ちではないけれど、こういうのもアリかもしれない。


そう朝からご機嫌だったが、


「…………なぜ」


私は一言呟いた。
鞄を見て唖然。


時 間 割 間 違 え た


最悪!! ほとんど借りに行かなきゃ!!
そう思い飛び出すように廊下に出た時、


思わず、足が止まってしまった。



























「あははっ」


窓から外を覗き込むようにし、笑いあう男女。



































孝仁と美紀ちゃんが、イチャついている。


朝からイチャつくな!!
美紀ちゃんなんて孝仁に抱き着いてるし!!!!
廊下でイチャつくなばかやろおおおおおう!!


私は思わず二度見してしまったが、素早く二人の横を通り過ぎた。


































——視界の隅で孝仁がこっちを見てるのが見えたが、気にしないようにした。


**


なんとか毎時間ごとに授業道具を借り、生き延びることが出来た。
そんなこんなで、やっと昼休み。


「やっとお昼……」


至福の時だ。
——そう思っていたのが、甘かった。


「〜〜……で、あのさ——……」


孝 仁 登 場


私は思わず立ち上がった。
なぜなぜなぜ来るなバカヤローッ!!!!
慌てながらも、早く弁当を食べようとした瞬間。


孝仁と目が合った。


「……依麻、何処行くの?」
「旅に出てくる」


質問してきた沙菜にそれだけ呟き、弁当箱を持って廊下へ向かった。
……だめだ、やっぱりイライラする。
もう好きじゃない、だけど視界に入るとダメだ。
幸せを願いたいのに、私はやっぱり願えない。
あんなにデリカシーがない孝仁も、美紀ちゃんも嫌いだ。
何よりも、こんな自分が一番大嫌いだ。




















幸せを願えるほど、私はいい子じゃない。