コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) 8話更新! ( No.29 )
- 日時: 2014/08/04 00:39
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: /VrbMqLC)
- 参照: 好きでいたって 歪んでく内声
第十三話『隣のクラスの女の子』
やっぱり、好きなのかもしれない。
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五月に入り、私は壱をひたすら目で追っていた。
二年前の、初めて一目惚れした時の様に——。
しかし、現実はうまくいかなくて。
目を合わせようと頑張るけど、全然目は合わなかった。
ただ時間が進んでいくだけで、私は溜息をつく。
恋愛は、難しい……。
「……はぁ」
そんな事をあれこれと考え込んでるうちに、あっという間に六時間目になってしまった。
六時間目は全校集会なので、私は体育館へと向かう。
私の斜め前にいるのは、杉名美々ちゃんと仲のいい隣のクラスの子。
山高春ちゃんだった。
春ちゃんは高校一年生の学祭期間の時、当時私が好きだった小八克弥——。
あのハチと話していた可愛い女の子である。
結局ハチの好きな人だったのか彼女だったのかは謎のままだが、相変わらず春ちゃんの可愛さは健在であった。
そう思いながらぼーっと春ちゃんの背中を見ていると、
「——……前入ってもいい?」
突然美々ちゃんに話しかけられ、私はハッとする。
や、やっぱ可愛い……!!
「ど、どうぞどうぞ!!」
思わず敬語になりながら前をあけると、美々ちゃんは小さく微笑んで私の前に入った。
……そっか、春ちゃんと隣になりたかったのか。
私は納得し、美々ちゃんのサラサラな赤茶色の髪の毛をただ見つめていた。
すると、
「……やぁ、かっこいい」
春ちゃんがいきなりそう呟き、後ろを見た。
目線の先は……私のクラスの男子?
「どこどこ?」
美々ちゃんも後ろを向き、身を乗り出した。
やっぱり美々ちゃんも、同じクラスの男子を見てる。
「——……いち君」
ん !?
春ちゃんの可愛らしい唇から出た言葉は、思わず耳を疑う言葉であった。
『いち』と確かに聞こえた。
でも、私のクラスには『壱』と『貴一』くんがいる。
ど っ ち !?
そう思い私も男子の方をガン見するが、きいくんが座った後も春ちゃんは八組男子を見つめていた。
そして壱が座る頃に、前を向いた。
もしや——……壱?
そういえば、私もやっているSNS。
壱がやっているのを知り、私はたまにこっそり壱のページを見ている。
そのページで、春ちゃんから壱に結構絡んでるし……。
ありえそうだよね、これ。
私の胸の中に小さな不安が生まれたが、この時はあまり気にしないようにしていた。