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Re: *再恋華*(実話) ( No.9 )
日時: 2014/05/13 21:14
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: kphB4geJ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

第二話『クラス替え』


「依麻、おはよー!! 写真撮ろ、写真!!」


軽い足取りで学校に着き、クラスメートと共に最後の一年四組の教室で騒ぐ。
この教室で騒ぐのも、このクラスメートたちが集まる姿を見るのも今日で本当に終わり。
全部、最後だ。


視界に入る私の元彼——里見孝仁。
彼は私の気持ちなんて知らず、無邪気な笑顔で男子たちと触れ合っている。


もう彼を、教室の中で見ることはない。
クラス替えをするのに、いつまでもウジウジしていられないよね。


新しいスタートをしなきゃ——。


「……じゃあ、クラス発表するぞー」



























**


「——……どうしてこうなった」


私は自分の机を運びながら、そう呟いた。
新しい教室は、二年八組だった。
ちなみに孝仁は二組、孝仁の彼女の矢川美紀ちゃんは六組。
仲のいい子たちとも全員離れた。


……知らない顔が、いっぱい。


「——水城」


慌てふためいているときに、聞こえてきた声。
私は顔を上げ、その声の人物を見た。


「……ボス」


『ボス』こと、鈴井修。
孝仁と別れる原因となった一つの祭事件に関わりがある人物——。
また、孝仁を思い出してしまった。


「水城、同じクラスだね」
「ねー、本当だ」
「よろしく」


ボスは私の心情を気にしない位、素敵な笑顔を浮かべていた。
私もそれに応える様に小さく微笑む。


——二年間、ボスと同じクラスか……。


ボスはいじられキャラであるが、優しくて普通にいい人だ。
孝仁には誤解されてるけど……。
だけどボスと同じクラスになったからには、仲良くしなきゃね。
孝仁と私は、もう付き合ってないし。


そう思いながら周りを見渡した時——。


「……あ……」


思わず、声を漏らしてしまった。


私の視界に映った、ただ一人の男子。
その男子とは——……。





















              珠紀壱






















中学二年生の時から中学三年生の途中まで好きだった、あの壱が居た。


壱と、同じクラス——?


「——あ、依麻ーっ!」


久しぶりの壱の姿に見とれていると、私を呼ぶ明るい声が聞こえてきた。
私は我に返り、振り返る。


「……沙菜?」


中学校が同じで、由良と仲がいい伊村沙菜。
そこまで関わりがなかったのだが、春休み辺りから急激に仲良くなっていた。
そんな沙菜がすぐ後ろにいるから、私は笑みを零す。


すると沙菜が、明るい笑顔でこう叫んだ。


「依麻ーっ! 同じクラスだよ!」
「うそ!? やった!!」
「二年間よろしくねー!」
「よろしく〜!」


私と沙菜は手を繋いでわいわいと騒いだ。
沙菜に壱にボス——。
知ってる人がいてよかった。


新しいクラス、頑張れそうな気がする。
……いや、頑張ろう!


私はそう決意した。