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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ラナンキュラスと少女 ( No.10 )
- 日時: 2014/05/16 20:41
- 名前: はにわ ◆wrfkg3Dbu. (ID: AwgGnLCM)
その表情を見て、握る力を弱めずにいられない。
しかし、
「フェリス」
リリーは私の名を呼び、私が緩めた力を、また、引き寄せた。
「わたし、おねがいしてもいいかな」
「何でもいいよ、いってごらん」
そういって顔を覗き込む。まだ、涙は止まらないようだ。
自身の言葉で、苦しくなってしまったのか。
嗚咽を漏らし始めた彼女の背中を、優しくさすってあげる。
喉や目から、溢れる感情をどうにか押さえて。
「わたし、もうひとりじゃ、どうにかなっちゃう。」
——また、来てくれるかな。
私は、顔を縦に振る。私が、この子の感情の栓を抜いてしまったのだ。
責任を取らなければ。
僅かに、リリーの顔が綻んだ。ふんわりとした、普通の女の子の笑みだった。
ああ、その笑顔が。
たまらなく、可愛く見える。私は彼女の頭を撫でて、
「今度は、色んな話、聞かせてよ。
私も、次は何か持ってきてあげるからさ」
「楽しみに、してて」
本来の目的も、とうの昔に忘れ、
彼女と約束をし、「たてもの」を出たのだった。
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