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Re: 世界の果てでダンスを踊る ブレイジングダンスマカブル ( No.42 )
日時: 2017/02/09 16:32
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: Oh9/3OA.)

 −37 大隊進軍





 


 猛然と吹き荒れる吹雪。シベリアの大地。


 「撃てぇえええっっっ!!!!!」


 幾つも並ぶ巨大なカマクラのトーチカから顔を出し覘く長い砲身が轟音を鳴らし一斉に目標物に着弾し爆炎と白煙を上げる。


 「休むなっ!! 撃ちまくれっ!!! 相手はバケモノだっ!!!!」


 続けて雪山の各塹壕に身を潜めていた兵士達が半身を乗り出し機関銃で一掃射撃を開始する。

 硝煙と気化した雪の蒸気で辺り一面が白く展開する。荒ぶ豪雪の嵐がそれらに拍車を掛け視界を更に悪視させるが砲撃と銃撃は止まない。

 兵士の一人、上官であろう者が短く合図を送るとピタリと兵達の攻撃の手が収まった。

 観測手が双眼鏡で吹雪の強風で視界を遮る煙が掻き消えるのを確認と同時に攻撃地点に動く影を視認し表情が強張る。


 「・・・な・・・奴等が、報告にあった組織『ネオ・ナチス』の・・・!!!」


 その影は二対の羽を広げ、高速で雪棚を低空飛行で直進してきた。影は一体でけではなく、二体三体四体・・・さらに後続からも姿を現し同じように飛んでくる。

 メタルティックなフルメット、全身を覆うアーマースーツに両手にアサルトライフルを携え、吹雪をも物ともせず滑空する両翼には『交差卍(ハーケンクロイツ)』が描かれていた。

 機械的な襲撃者に慌てて砲撃と機銃の攻撃を再開させるが高速から繰り出される精密な射撃がピンポイントで兵士達を貫き速やかに沈黙させる。


 「機甲鋼鉄師団α部隊、C地点を通過。最終目標まで距離六百メートル」


 一人が誰かと通信している。その声は年端もいかないであろう少女の声。

 瞬く間に武装したトーチカ軍を無力化し駆け抜け進行する襲撃者達。迷いなく向かう前方の先には巨大な円筒を中心にそそり立つコンビナートのような建造物。

 建屋中から武器を持った兵が出てきて応戦するが一人また一人とと流れ作業のように斃され襲撃者達の数人が中へと侵入していった。

 その建物には『核』を扱う事を示すマークが印されていた。 


























 「・・・作戦目標地点に到達を確認。目標物『ジグラッド』発見。速やかに回収し施設を爆破、消去する」


 建物の最奥、複雑な機械群が並ぶその中。

 ひと際異彩を放つ異形の巨大な物体が静かに鎮座していた。