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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.13 )
日時: 2014/06/25 00:59
名前: もこもこ(・v・)/ (ID: K79nUGBS)

部屋に戻った雨揺は李羽を離してあげた。李羽はおとなしいから邪魔にはならない。

「雨揺さまー!お勉強の時間ですよ?」

「うえっ!?」

突然の真の声だ。と…

「雨揺さまぁ〜!里羽ちゃんの餌です__」

「何もってきたんだよ!?」

紫亜の声に思わず後ろを振り返った時。

…。

音もなく障子があく。

「雨揺さま」

ツー…背すじに寒気が。

「こお〜んなにあるんですよ?書物。全部私があつめたんですから。
…読んで下さいますね?」

そこには悪魔のほほえみで両手いっぱいの書物を持ち、仁王立ちしている真の姿があった。











「…なんであんたがここにいんのよ?」

「だって…真が」

「あんたに教えてもらう筋合いはない」

「でも…」

「…だまって」

私はさっきからこいつと言い合いをしている。


「あんた、自分が勉強できるからって調子のってんじゃないよ?」

「…のってない」

…。私は、さっきからこの、頭がよすぎる双子の弟、泰に勉強を教えてもらって…じゃなく、強制的に教えられている。

最悪…。

「ほら、ここ、読み方違うよ」

「五月蝿い」

「ここと…ここも」

「うるっさい」

悔しい…悔しい。

そのせいか、水の様なものが頬をつたう。

気のせいではない。

「私、何してんのよ…」

水の様なものが書物におちた。

朦朧とする意識の中、たまたま目に入ったその部分を読んでみる。

「 城下に多の人と多の物がある。沢山の人がいて賑わっている。楽しい。」
城下…いってみたい。

幼い頃から夢見てたこと。

いつも、使用人と鳥と遊ぶ毎日。

いつも、城下へでかけ、幸せを持って帰る。

絶対今よりもいい。

「お姉様…?」

もう泰の声は耳には届かない。




「私…絶対城下、街にいくっ!」