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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.20 )
日時: 2014/06/06 20:42
名前: もこもこ(・v・)/ (ID: K79nUGBS)

「李雨〜!待って…!」

雨揺は叫びながら李雨を追いかけた。

「ピヨピヨ〜!」

着物の裾を持ち上げ、長い廊下を渡る。

「李雨ってば!」

雨揺は精一杯走った。

「捕まえたっ!」

「ピヨヨ…」

「やったあ…って、ここ…」
,
城の門の前。雨揺と李雨と馬だけ。

ずっと出たかった門の前。

「…」



そっと、門の錠を外す。

脳裏にふと、お母様の笑顔だけが横切る。

__雨揺はもう五歳なんだから、お姉ちゃんでしょ?





____私は…やっぱり…


「ごめんなさい。お母様」

雨揺はその小さな手で馬に手を掛けた。








「大変ですっ!雨揺様がいません!」

紫亜は転びそうな勢いで走った。

「紫亜…どうしたの」

部屋からでたお母様がなにごとかと言った。

「お母様!雨揺様がいません!」

「なんだって!?城にいたはずじゃ!?」

「それが…」

紫亜は、雨揺様が勉強せずに李雨と遊んでいたことを告げた。

「紫亜…」

お母様は頭をかかえ、紫亜を睨んだ。

「ごっ…ごめんなさい!」

あわてて謝る紫亜。

「なんだって目を離したんだよ…。姫様がじっとしてないことは重々承知しているだろ?」

「うっ…」

言葉に詰まる紫亜…。

「はあ…全く、紫亜は紫亜だね。まあ、姫様のことだしすぐ帰ってくるよ」

「お母様…」

「困らせたね、紫亜…」

そう言って、お母様は紫亜をなでた。

「はい…」

紫亜は、目に涙を浮かべ頷いた。