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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.22 )
日時: 2014/06/09 22:48
名前: もこもこ(・v・)/ (ID: K79nUGBS)


「…?」

目が覚めた。

雨揺は、ござの様なものの上に寝ていた。

ざらざらしてて気持ち悪い。

城ではこんなことしなかった。


それにしても…ここは___

「目、覚めた?」

突然の優しい声に胸が高鳴る。

「…!?」

「驚いた…?」


___男の子。

雨揺は思った。

青い着物に緑色の目、少し茶色がかかった黒色の髪。

こちらに歩いてくる。




優しい眼差しの、男の子…雨揺と同じくらいの歳だが…は、こちらを見て言った。

「お前…倒れてたよ?」

__っ恥ずかしい。


でも、今までこんなやりとりも出来なかったと何故か場違いなことを考える。

「ところで…君は?」

「あ…えと…う…」

初めての城外の人との対話に言葉が詰まる。

「どうした…?」

彼は心配そうに、雨揺に顔を近づける。

「どこ…で…すか?こ…ここ…」

カラカラの喉を振り絞り、なんとか声を出す。

「? 俺の家」

「は…?」

よく見ると確かに、本やら魚やらおいてあった。

ん…?魚? まあいいや。

「俺は鈴。お前は?」

男の子…鈴、は、葉を何かに漬けながら言った。

「わ…わたしは、雨揺」

少し緊張した様に答えると、鈴は、リラックスしていいよ、と笑顔で返してくれた。


「ところで…何故倒れてた?」

「えと…馬から落ちて…って痛いっ!」

「我慢しろよ…これぐらい」

「な…なに…?」

鈴は、漬けていた葉を私の膝につけた。

漬けていたのは消毒液のようで、
とてもしみて痛い。

「いったあ…でも、な…なんで…?」

「なんでって…膝怪我してるから」

「へ…?」

よく見ると、私の膝には擦り傷があった。

そんなところまで見てくれていたなんて。

「あ…それで…ありがと」

「おう」

鈴は柔かに微笑むと部屋にある、魚に目を向けた。

「よかったら…コイツ、一緒にくわねえか?」

鈴は照れ臭そうに、そして、
嬉しそうに雨揺を見た。


雨揺も嬉しかった。