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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.24 )
日時: 2014/06/13 01:18
名前: もこもこ(・v・)/ (ID: K79nUGBS)

「ねえ!何作ってんの!?ねえってば!」

「…待ってろ」

「お腹減ったよ…魚まだ?」

「…るせえ」

「…まだですか?」

「…」

鈴が調理場に立ってから何時間、経過したのだろう。

美味しい魚をくわせてやるとか言って何をしてるんだろう。

「もう!いつも作ってるのでいいよ?」

「ほんとかっ!?」

___まさか、特別なの作ろうとしてたわけ?

「よしっ!分かった。上手いもんつくるからな!」

鈴はこちらにガッツポーズをすると魚をさばきはじめた。

…そしてしばらくたった。

「できた!」

彼の無邪気な声がひびく。

半分寝ていた雨揺はその声に驚き顔を上げた。

「うん…なあに?」

眠そうな顔で呟き、鈴の傍による。

そこには、見事な魚のお刺身ご飯。

城なんかじゃ、野菜しかでなかったから魚なんて食べたこともない。

「ほら、食べてみろよ!」

「うん!」

雨揺は初めての魚を口にした。

「…」

「どうだ…?」

「…っ美味しい!!」

喜んでくれてよかった。鈴は彼女の笑顔をみて微笑んだ。

「どんな味がする?」

「えと…なんか、優しくて包んでくれるような…あ、ありがとう」

照れ臭そうに言う彼女はお姫様みたいに可愛かった。

「ああ…そっそれより、家は何処なんだ?」

恥ずかしくて雨揺の顔を見ることができない。

あわてて話題をそらす。

「…もぐもぐ…えと、お…しろだよ」

雨揺は口の中に刺身を詰め込み言った。

へえ、お城…か。え?お城?

「はあ!?」

思わず素っ頓狂な声をあげる。

「うわ!なに!?」

彼女は鈴の声に驚き、飛び跳ねる。

「お前、何処の姫君だ?ま…さか暁月家の…」

「うん!そうだよ?」

うわ…やっぱり。

雨揺には何故鈴が驚いたのかわからなかった。