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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.31 )
- 日時: 2014/07/04 22:51
- 名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)
「ねえ、お姉様、私は行けないのですか?」
幼い頃、雨揺はお姉様に聞いたことがある。
「ああ…姉ちゃんは少し外へ出てくるから、泰といい子で__」
お姉様は哀しそうに笑った。
「お…お姉様?」
「お母様とお父様には秘密よ?」
「どうして?帰ってくるよね…お姉様」
「__ええ、もちろんよ、雨揺」
そして、お姉様は居なくなった。お父様はすごく怒ってたけれど…
雨揺は外が怖くなった。お姉様をつれさった、“外”を。
でも、
「雨揺様___俺は雨揺様が大好きですよ」
唯___今はそんなに話してないけど…昔は、誰よりも唯は側にいてくれて。
ごめんね___
「雨揺?」
鈴の声で我に返った。
「あ、鈴…」
「雨揺、あのさ、これ…」
「?」
首を傾げる雨揺。
そっと開いた鈴の手には、 クローバー型のブレスレットがあった。
「可愛い〜!すっごく素敵!」
「喜んでもらえた?」
「とっても!」
「ありがと…」
だから、街に行けなかったのかな…。
「つけてもいいっ!?」
「もちろん」
「目ー!目、瞑ってて!」
「なんで?」
「いーから!」
「…わかった」
そう言って鈴は目を閉じた。
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