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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.32 )
日時: 2014/07/18 07:22
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)

「もういいか…?」

「…いいよ?」

そっと目を開ける鈴。

「…どう?可愛い?」

雨揺は控え気味に手を差し出した。

「…うん」

「やったぁ!ねえねえ、わた___」

___っ___






雨揺は___


キス…された。





鈴に。私が。頬がすっごく熱い。

恥ずかしいような、うれしいような。

「雨揺…俺、雨揺が好きだ…」

抱きしめられて、息がキツくなる。

好きって…まさか…。

「私…を…?」

「ああ」

私も__

いいかけて口を閉じた。

ダメ。

…こんなの、こんなの私が思ってはいけない。

私は、私は、父と母に嘘をついて…。



でも___

鈴のことをもっと知りたいな…

駄目。

ごめん。鈴、ごめんね…。

私は今のままがいい…。

「ごめんね、鈴___」

そっと彼の腕から逃れる。

「そっか…時間がたったら…好きになってくれる?」

「…ふふ」

「…」

「また明日」

彼女の言葉には何も返せなかった。

ガラガラ…ドアがあく音がして、そして閉まった。

訪れる、沈黙。

あの日、彼女を抱きしめてから、気づいた。

彼女への気持ちが。

冷たい涙が、ただただ頬を伝った。