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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.35 )
日時: 2014/07/06 07:33
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)

「雨揺様…」

唯の頬を、雨揺が歩いていくのを見送った後、再び涙が伝った。






「どうしたら…」

雨揺は廊下を行き来して考えていた。

慰めればいいのだろうか、

でも関係ないと突き放されるかも知れない。

…紫亜に言えばいいのではないか。

そうだ、紫亜なら兄弟だし、同じ悲しみを…。

そうしよう、

雨揺は紫亜の部屋へ向かった。

ただ…紫亜の部屋が庭を通らなければいけないのが厄介だ。

「…」

そっと庭を渡る。

予想通り、唯は居た。

だが___ないてはいない。

空を…空を見ていた。

何を、おもっているのだろうか、唯は。

父をなくし、母をもなくした唯と紫亜。

だが__唯はないてはいけない、と自分を叱ったのではないか。

「____っ」

駆け出した。唯の側に。

そして、


抱きしめた。

「雨…揺…さ__」

強く抱きしめた。

唯が話さなくてもいいように。

辛いから…。

「ありがとうございます、姫様」

雨揺に抱きしめられたまま、唯は再び暖かな涙を流した。



だが、星に照らされた唯の目は先ほどとは違った希望の光で満ち溢れているようにみえた。