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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.52 )
日時: 2014/07/21 22:02
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)

「あら…せっかく…」

「どういうつもりだ。何故、雨揺と関わりがある」

「何のことでございましょう」

そこまで言って、優はこちらへ向いた。

鈴様、とつけたし、続ける。

「雨揺とは幼馴染ですわ。そして、雨揺に貴方様のことを教えようとしただけにございますが」

「違う。俺とテメエが婚約者だってことだ」

「テメエとは何ごとでございましょう。これは貴方様のお父上と私のお父様が決めたこと…私が決められる立場ではありませんの…」

「何故言わなかった?」

「はい?」

「何故、今の今まで言わなかった?」

「ふふふ…鈴様に心変わりをさせるためでございます」

わけがわからない。

どう考えたら、俺が心変わりをするにのか…鈴は懸命に考えた。

「では、乙女心をお分かりにならない鈴様。仮に、仮にです。雨揺が鈴様を好きだとしたら…そのままでは、私の父と鈴様のお父上の作戦がうまく行かないではありませぬか。お分かりいただけて…?」

「よく分からないが、俺の父とお前の父が俺らを婚約させている、雨揺がいるとそれができない、だな」

「ええ…お分かり頂けたなら結構でございます」

彼女は、ふふふ、と鬱くしい笑みで笑った。

___一歩一歩と足を踏み出す。

「___どこに行かれるおつもりで?」

優は、完璧な笑を零さぬよう、ゆっくりと聞いた。

「もう、無意味ですのに…ふふ」

彼女は完璧な笑を深め、手で口をおおい嗤った。