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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.54 )
日時: 2014/07/23 18:31
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)



「唯っ!」

突然抱きしめられた唯はその場にただ突っ立っていた。

「あの…?え…あ…」

彼女は目をうるうるさせて唯に言った。

「私は…鈴を、傷つけた。…っ…鈴がお姉様みたいに、居なくなるのが嫌で…優のことだけじゃなかったの…」

そっか、と言って慰め、彼女のまだ幼さが残っている背中をさすった。

だが。

「私は…多分、まだ…鈴のことが好きかもしれない」

___背筋が凍る。

「私が怖くて逃げただけなんだと思う。まあ、鈴が優を好きなのには…変わりないけど」

…苦しい。

彼女が鈴を好きなのか…?


幼い記憶が蘇る。


___唯!

走ってくるのは…鈴だ。

まだ、暁月家の民ではなかった頃の記憶。

___なあ、唯。今日、魚つりしないか?

昔から魚が好きだった。

___ずっと友達でいような。

約束した。だが。

ある出来事によって鈴との関係は引き裂かれた。

ある出来事___彼女の姉の話。

「__唯っ…うう…」

相変わらず彼女は泣いている。

大丈夫。大丈夫。そっと彼女を抱き上げ、寝室へと向かった。