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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.65 )
日時: 2014/08/04 07:52
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)


「雨揺…鈴様が貴方の事をどう思っているか、知っていて?」

「…勿論」

「お聞かせ願える?」

「意味が無いから」

「…あら。知りたくない?」

「…」

しばらくして、優はふっと微笑んだ。

「雨揺。貴方の思っていることと違うことのようだけど」

___違う?

まさか、鈴が優を好きでは無いと?

笑わせるな。

もう、信じられない。

「雨揺!これが最後だから___」

____鈴。

「俺は…雨揺が好きだ。信じなくてもいい。ただ___ずっと傍にいたかった」

鈴の青い瞳を見た。

分かってた。

最初から。

鈴の私への好きは本物だって。

優に対しては何も感じてないって。

でも。

鈴がお姉様みたいになるのが嫌で。

捨てた筈の記憶が怖くて。

意地を張って。

「私も___」

声が震える。

____お姉様、私は…。

哀しい。

『ねえ、雨揺。知ってる?』

『好きって分かる?』

『私は。お母様達に酷いことをする。貴方にも。でも…あの人の傍にいたいの。だから…捨てる。この身分も、家族も。だから…雨揺、頑張って。いい子で___』

今気づいた。その意味が。

お姉様も、恋をした。

だから、全て…捨てた。

傍にいたい。

それだけで。

そうなのだ。

恋とは。

「好き」

小さく呟いたその声は彼に届いただろうか。

今まで心に絡まっていた糸は、もう、跡形もなく消え去っていた。