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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.7 )
- 日時: 2014/05/25 08:07
- 名前: もこもこ(・v・)/ (ID: K79nUGBS)
ダダダダダダダダダタっ…!
床を踏み鳴らす音だとこちらでも分かる。
これは、雨揺だな、
柚奈は思った。
ダダダダ…。
突然に足音が止まった。
「おっ…お母様、失礼しましたっ!
おくれたっ!」
あぁ…やはり…
「雨揺!言葉に注意しなさい!そして、遅れないっ!」
柚奈は思いっきり叫んだ。
「ごめん…じゃなくってごめんなさい!お母様!」
…。
この子には困ったものだ。
活発な子だが、少々元気がよすぎるのだ。
頭は悪いわ、言葉使いは荒いわ…。
まぁ、運動神経が良い事と
行動力があることが唯一の救いだ。
すると…
「揺雨…」
後ろから低い声。
「おっ…お父…さま…」
雨揺はぎこちない様子で、雨揺にとっての父、柚奈にとっての夫を振り返る。その隣には、ちょこんと雨揺より背が低い泰が座っている。
「あの…その…何と言うか…私が…」
「雨揺」
「はっ、はいいっ!」
雨揺は小さな体を震わせ、
小さく返事をした。
「お前、少しは泰を見習ったらどうだ?泰は、学問もできるし…剣もできる、料理もできるし…私らは助かってるんだ。でもお前は…」
「…っごめんなさいっ!」
泣くような、怒りを抑えたような声が、夫の声を遮る。
「姉上…」
泰の心配したような声がそっと耳に届く。
泰は優しい子だ。
「部屋に___戻ります」
雨揺は立ち上がると逃げる様にその場を去った。
「やれやれ、だ。まったく…」
雨揺が可哀想なので、
少し言い過ぎではないか、と夫に提案してみる。
「いや、あれくらいしないとな…」
双子の弟に比べられ、
雨揺が哀れに思えてきた。
「しかし___雨揺はいい所もありますし…」
助け舟をだす。
「そうですよ、父上」
泰も追い打ちをかける様に言う。
「いや…これでいいのだ。雨揺にはしてもらわなければいけないことがあるしな」
柚奈は無言の まま頷くと、
その場を去った。
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