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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.75 )
日時: 2014/08/13 12:19
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)


「お前、誰だ?」

そいつの第一声はそれだった。

「帰る」

「お、お待ちください」

そう言った雨揺を老人が止める。

なに、と振り返る。

「え…あ…う」

老人は呻き声をもらす。

「まあ、怒るな」

青年がいう。

「てめえ…」

いけない、いけない。

思わず言語が…。

「…コホンッ。取り乱しました。申し訳ございません」

その場に座り、頭を下げる。

「暁家の、次女…雨揺でございます」

___ふと、彼は眉を寄せる。

「なんと…?」

そこで、あることに気がつく。

「え…暁家の長女、雨揺でございます」

言い直し、もう一度。

「そうか…俺の妻になるのか?」

「…っ…そ、そうでございます」

なんとか言い切る。

「嫌だ」

「は…?」

「お前を妻にはしたくねえ…煩そうだ」

「う…うるさ…!?なっ___」

思わず手が出てしまう。

突き出した手はそのまま、

命中した。

彼の、

顔、に。

「あ…」

ポケッとした雨揺の口から出てきたのは、この一文字だった。

「あ″?」

「うわあっ!ご、ごめんなさいっ!」

慌てて謝り、元の位置へ戻る。

だが、相手はこっちを睨みつけ、近づく。

「なんの…つもりだ?」

「う″っ…」

目を泳がせ、呻く。

「べ…べつに」