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「なにが、べつに…だ」

「…っ！だいたい、せっかく来てやったのに、あんたがそんな事言うから悪いんでしょ！？」

「誰に言ってんだ貴様！？」

ううぅ…。

つい本心が。

だが。

「あんたこそ誰にいってんのよ！？私だって一応、一応…だけど姫なんだけど！？」

一応、を強調し、反発する。

「あー。すまんな、お前がお姫さんに見えなくて、ついな。見えなくて」

…ウザい。

本当ウザい。

この時代にはない言葉だろうが。

「ちょーウザい！さいってー！」

舌をだし、走り出す。

運動神経だけはいい。

追いつかれない、その自信はある。

「まけねえ…！」

後ろからそんな声が聞こえた。

前を向いたまま、後ろに向かって叫ぶ。

「私が勝ったら、家帰らせて」と。

相手は望むところだ、と続ける。

「俺が勝ったら、どうする？」

「土下座して、言うこと聞いてあげる！」

「名案だ！そこは褒めよう」

絶対負けないんだから、と呟き、


走った。