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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.79 )
日時: 2014/08/16 10:21
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)


「お初お目にかかります。鞠でございます」

「鞠…」

彼女は自分の侍女らしい。

背は高く、鋭い目つきではあるが、穏やかだ。

「雨揺様…これからお世話をさせていただきます。用があれば、なんなりと」

それじゃあ、と雨揺は告げる。

「少しお相手をお願いしても?」

「こちらこそ」


__________

「彼の名前って…」

城の屋根に座り、彼女に話しかける。

「祐季様のことで?」

「…ユキ?」

「失礼致しました。雨揺様の旦那様になられるお方です」

「あ…そう。祐季ってゆうの…」

彼女は自分のことの様に話した。

“祐季様は、何年か前に知り合いらしき女性と婚約していまして。”

“その女性との婚約は叔父様…ああ。祐季様のお父様は認めてくださったのですが、彼女側の父は認めてくださらなかった様で、破談になったそうですわ。祐季様とその女性はお互いに一目惚れだったそうで。”

“女性は諦めきれずに城を抜け出し、密かに祐季様と会っていた。しかし、それを彼女の父に見つかり、次はないと思った彼女は祐季様の城に住むことにした。ですが、彼女は急病で亡くなったとか”

「かわいそうなのね…彼もその女性も」

「ええ…でも彼女をこの城でみた人は居なかったようです」

「そうなの…」

祐季…も辛いことがあった。

それは、雨揺の心を少し重くさせた。