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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.81 )
- 日時: 2014/08/17 14:48
- 名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)
行燈の明かりが眩しい。
この式は苦手だ。
うんざりだ、と雨揺は思った。
「いつ終わるの…これ」
誰にともなくつぶやく。
「しょうがねぇだろうが…」
「祐季…あ、様」
隣にいた彼に聞かれていた。
「婚約式くらいすぐ終わる」
「すぐじゃないから」
はあ…泣きたい気分だ。
「ちょっと部屋いく」
「おい___式の主人がいなくちゃだめだ___」
「貴方いるから」
「おい…!」
振り向かずに自分の部屋へ向った。
戸を閉めてその場にしゃがみ込む。
何故だろう。
涙が出てきた。
「普通の人になりたいな…」
お姫様なんて、なりたく無かった。
「鈴…」
鈴どこにいるだろう。
何をしてるんだろう。
私のこと想ってくれてるかな。
愛おしい。
会いたい。
何をしていても、何を考えていても。
脳裏に過るのは鈴の顔と声だけ。
どんなに、祐季を好きになろうと努力しても、鈴だけ___。
「泣いてる」
「___祐季様」
「この間の礼」
___彼は私を抱きしめた。
「祐季様。私、私____」
「俺のこと、好きにならなくていいから。ただ___」
人呼吸おいて、彼は言った。
「俺はお前が好きかもしれない」
と。
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