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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.82 )
日時: 2014/08/18 21:53
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)


「へ____」

涙が止まり、今度は驚きの顔になる。

「なんて…」

「冗談でしょ?」

ケラケラと笑い、嘘くの下手、と相手を見やる。

「…冗談じゃねえ…」

彼の言葉に雨揺は耳を疑う。

「だって、この間も嫌いって…」

「それが嘘なんだよ」

さっきの優しい表情とは裏腹に不機嫌な表情になる。

「…好きな人がいるんだって言ったし___」

「それは昔の話。今は___お前だ」

彼の手は宝物に触れるような手つきで髪を撫でる。

___懐かしい感触に浸る。

「お姉…様」

彼の瞳の向こう、自身の姉が見えた。

雨揺の髪を撫でる姉。


「触ん…ないでっ!」

気がつけば彼を跳ね除けていた。

姉との思い出に、触れて欲しくない。

「なん…だよ」

祐季の眉がピクリと動く。

「かん…けい、ない」

背を向けた。

少しは好きになれたのに。

鈴を忘れようとしてたのに。

なんで。

なんで____

「関係なくはないだろ!?血はつながってないが…お前とは家族なんだぞ!?」

___家族、か。

災難ね。相手が私で。

「私に触れないで。それなら…まだ我慢できるから」


祐季は今更気づいてしまった。

自分の行動が、彼女を壊してしまったのだと。