病気だった姉。病気だった祐季の恋人。似ている姉と私。祐季は、私を好きになった。彼の歳。姉の歳が同じ。父が結婚を認めなかった。数年前にあったこと。もしか…して。「鞠…」「はい、こちらにおります、雨揺さま」震える声。小さくなる身体。「祐季が好きになった女性の…」「はい」瞼に焼き付いた姉の姿。「な…まえ…名前は」苦しい。やめて。言わないで。私の姉が____「柳___さまでございます」祐季の恋人だったなんて。死んだ…なんて。