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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.99 )
日時: 2014/08/26 17:17
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)


「ねえ、碧…私、暫くしたら暁の領地へ行きたいの」

ゴツゴツした山を歩き、雨揺は碧に話しかけた。

「…なぜ?」

「家族がいるの。あと…恋人も」

少しはにかみながら笑う。

「とりあえずは、家に来い」

そう言われ、何も言えなくなってしまった。

周りを見渡すといつの間にか日は沈んで、日の残光が残っているだけだった。

「月が見える…」

夕方の空には薄い月が。


___狼の遠吠えが聞こえる。

ガサガサ…。

それに加え、草を掻き分ける音。

「___雨揺、分かってるな?」

「__勿論」

彼に返事をし、懐から短剣を取り出す。

鞠も剣を構え、あちこちを見渡している。

「___来た」

ザク、ザク…と狼に刃を突き付ける。

血がポタポタと地面に垂れる。

「何匹…おっと…いると、思う?碧」

「数十匹」

「本気!?」

ツッコミながら、肉を切り裂いていく。

剣術は嫌という程したので、別にたいしたことはない。

…油断しないかぎりは。



「おわっ…た」

肩を上げ下げしながらつぶやく。

「はい」

「だな」

2人の声が聞こえ、ほっとする。

碧もひどく安心した様な表情。



____私の方へ歩こうとした碧の背中に。


爪が。


_____刺さった。