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Re: 海と空〜短編集〜 ( No.26 )
日時: 2014/12/25 22:02
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

2-2

なんであんなこと言ってしまったんだろう。
なんで最期に謝らせてしまったんだろう。
なんで、なんで、なんで……。
兄は心の底から後悔した。教室に転んで入ってしまったときに父が笑ったのは、きっと父がみんなの笑顔を見て嬉しかったからだろう。自分が恥ずかしかったり、転んで痛かったり、そういうのはとりあえず置いといて。
みんな笑ってくれたから、それでいいか。
そんな父の優しさ故の行動だったはずなのに。なのに自分は、どうして……。
兄はその日から、父がよく言っていたこんな言葉をよく口にするようになった。
「人生に無駄な時間なんてない。ただ、もったいないと思う時間はある。自分や周りにいる大切な人が、笑っていない時間だ」
かっこいいと思った。ただ純粋に、そんなことが言える人で在りたいと思った。




そんな昔話をどうして今話したかというと、事の発端は今日の朝になる。
「今日は一緒に出かけるぞ」
「……はぁ?」