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Re: 海と空〜短編集〜 ( No.28 )
日時: 2014/12/27 11:33
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

2-4

結局、「私が時間の無駄だと感じたら罰金」という条件のもと、私は兄について行くことになった。母は仕事でいないから、ちゃんと鍵を閉めて、さあ出発。
駐輪場に向かい、兄が自転車を用意する。私も自然と自分の自転車を出した。と、そこでだ。
「お前は自転車いらねぇよ」
「……はぁ?」
朝と同じような声で、私は自転車を出す手を止めた。まさか、兄が自転車で走り、私は走って体力増加……みたいなことをするのではないだろうか。いやいや、それはやめてほしい。
部活をやっていた時は顧問が自転車に乗り、土手を部員が走っていたが、部活を引退した今はそんなことしたらどうなるかわかったものじゃないだろう。
「走るのやだよ」
私がそういう考えを巡らせて言うと、兄は別に走れなんて言ってないだろと呆れてから自分の自転車の後ろをたたいた。
「お前は俺の自転車の後ろに乗ればいい」
「いやわけわかんないから」
ないないと手を横に振ると、兄はいいから乗れーと私の手を引っ張る。無理矢理すぎないだろうか。
「昔はよく二人乗りしたじゃん」
「昔はね。む、か、し、は」
そう言いながらも自転車をまたぐ私は、やっぱりこのアホ兄の妹なのだろう。