コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: SCORE ( No.4 )
- 日時: 2014/09/19 06:06
- 名前: 咲奏 (ID: ikPsPKC4)
〈1ページ目〉
これは俺達がアイツと運命の出会いをする前のことである。俺達は文化祭について話し合っていた。
「はいっ、はいっ!俺がボーカルやるっ!俺に任せとけ!」
桐谷皐月、2年。蓮高軽音部の部長でギター担当。そして……、ボーカルも務める男だ!(予定)
「ね、ねえ、桐谷くん?さすがにボーカルはやめない?」
如月めい、俺と同じ2年。副部長。なんというか、ドラム担当のくせに大人しい。あ、でもドラム叩いてるときは楽しそうな顔してるな。
「……如月に同意」
霜月遥斗、2年。ベース担当。人見知りであんま喋んない。つか、もうちょっと心開け。
「なんで2人とも俺がボーカルなのに反対なんだ!!てか、葵は!?」
「水無月くんはきっと今日も来ないんじゃないかな……?」
サボり魔のキーボード担当、1年、水無月葵。天才的な才能を持ってるのに全く練習に来ない。部活に来たのは両手で数えるくらいだろうか。
「俺がボーカルやらないとなったら誰がやるんだよ。めいか?」
「わ、私!?」
私にそんな目立つこと出来ないよ、と言いながら慌てだした。こりゃ無理だな。
「じゃあ遥斗?」
「……」
全く表情を変えず黙ったままだ。てか、なんで俺のこと見つめてんの?
「遥斗が歌ったら、普段とのギャップがデカすぎるな。俺なら大爆笑だわ」
そもそも、葵は来てないから論外な。じゃあ、もう残ってんの俺だけじゃんか!
「2人はなんで俺がボーカルするの反対なんだよ」
「それは……、ね、霜月くん」
困ったような顔でめいが遥斗を見た。
「そうだな」
うんうん、と2人でうなづく。……って全然理由分かんないんですけど!?
俺がうーん……と思い悩んでいると、遥斗が俺の肩を叩いた。
「何だよ」
「いいか、お前は音痴だ」
「し、霜月くん!?そんなにはっきり言っちゃ……」
「え?俺って音痴なの……?」
そういえばカラオケでも60点いったらいい方だもんな……。俺はてっきり機会が壊れてるのかと思ってたわ。てか、遥斗!お前普通に喋れるのかよ!
「……っ!じゃあ、ボーカルいねえじゃんかっ!!」
「まあ、そうなるな」
「なんでそんな冷静なの遥斗さん!?」
「どうにかなるんじゃないかな?」
「ちょっとめいまで!」
文化祭を目前に、俺達はバンドのくせにボーカルがいない、という大きな大きな壁にぶつかった。やけに落ち着いた2人をよそに俺は部長としてどうすればいいんだ。ああ……、誰か、俺にいいアイデアをくれ。