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Re: SCORE【参照200感謝】 ( No.11 )
日時: 2014/12/26 10:37
名前: 咲奏 (ID: YKgE9blb)

〈4ページ目〉

「あ、先輩じゃないですか」

聞き覚えのある声……。

「おい!水無月っっ!お前いつになったら部活来るんだ!」
「まあまあ、そう怒らないで」
「誰のせいで怒ってると思ってんだ!」

水無月葵。うちのキーボード担当の1年。
入部当初は天才的な部員が入った!と話題だったが、こいつはサボり魔だった。
本人に聞けば「何で行かなきゃいけないんですか?」と真顔で言われた。解せぬ。
あと、絶対俺の事、先輩だって思ってない!
遥斗や如月には懐くくせに!馬鹿!


「ところで桐谷先輩、合唱部に何か用でも?」

そういえば、まだ俺は合唱部の部室の前にいたな。

「誰か好きな女の子でもいるんですか?それでふられたとか?」
「そんなんじゃねえよ!これはなー、我が軽音部に関わる重要な問題なんだよ!」
「へぇ、そうなんですか」
「お前も軽音部だろ!」
「そうですけど、……僕部活行ってませんから!」

お前……、そんな笑顔で言われてもな……。
本当にこいつは、よく分かんねえ。

「で、何で僕たち軽音部と合唱部が関係あるんですか?」
「ああ、俺らさ、ボーカルいないだろ?それで合唱部からスカウトしようかと」
「そうですか。合唱部の誰を引き抜くつもりですか?」
「2年、合唱部部長、日下弥生だ」
「先輩……、それ本気で言ってます?」

なんか水無月が冷めた目で見てくるぞ、そんなに無茶なことか?

「まあ、せいぜい頑張ってください。僕はキーボード弾けたらそれでいいです。」
「お前、何の為に軽音部にいるんだよ」
「え、キーボード弾くためですけど」
「……お前ならそう言うと思った。先輩達と演奏したいです!とか言えないのかよ」
「でも、先輩達と演奏するの嫌いじゃないですよ」
「……水無月っ!お前ってやつは……!」
「先輩のリアクションって馬鹿みたいですね」
「!?」
「じゃあ先輩、また」


くっそー、水無月め。
なんて生意気なやつなんだ!


そんなこんなで水無月と無駄話をしていたら
合唱部の歌声が聞こえてきた。
……日下が軽音楽部に入ってくれれば、きっと素敵なメロディーが奏でられるはずなんだ。
でも、なかなか厳しそうだな……。