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活動1 一義は友達がいない ( No.2 )
日時: 2014/08/01 15:48
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

「ところでさ、お前は女の子の友達なんか
欲しいと思ったこと無いか?」
元治が急に一義に尋ねる。
「そ、そんなのいらねぇ」
一義が顔を真っ赤にする。
「うそをつくなよチェリー野郎め」
元治が笑った。
「からかうなよあばずれ野郎め」
一義が反論する。
「お前、あばずれって知ってるか?」
元治が唖然とする。

一義は元々気難しい性格で、いつもクラスメイトと対立していた。
それがゆえにいつも一人ぼっちだった。
それでも一義は本当は友人が欲しくて
イマジナリーフレンド(架空の友達)を作っていた時期も
あったほどだった。
そして、高校時代にクラスメイトだった元治と出会い
元治からお友達申請されたのだ。

そして元治は女の子にはモテるが男からは嫌われており、
いつも嫌がらせをされていたのだ。
主な嫌がらせには
・体操着の袖を結ばれる
・辞書の卑猥な言葉に線を引かれる
・学ランにどじょうを入れられる
等々。
それをやめさせるためには男の友達を作ればいいと
考えた元治は、一義にアプローチしたのだ。

「じゃあお前にとっておきの同好会を紹介してやろう
オレが部長を務める友達同好会だ」
元治が一義に提案した。
「友達同好会?
変な同好会だな、何をするんだ」
「人類の精神に則り、同じ学校に通う仲間の善き隣人となり
友誼を深めるべく、誠心誠意、臨機応変に切磋琢磨するんだ」
元治が長ったらしく講釈をたれる。
「なんだそれ、オレはそんな堅苦しい同好会やらないぞ」
「冗談だよ、要は友達を作る部活さ」
「じゃあそう言えよ」

そんな会話をしているうちに、フェラーリは
一義のアパート前に着いた。
「じゃあ入部待ってるからな」
車から降りる一義に元治は語りかける。
「まだ入部するか決めてねぇよ」
一義が車から降りる。

翌日、一義は授業に集中できずにいた。
「やっぱオレ同好会に入ろうかな……」
「おい、何をぶつぶつささやいてるんだ?」
一義の後ろから酒臭い息が漂う。
「わっ、おっさん」
臭いの正体は担任の新太郎、通称おっさんだった。
「授業中に酒飲むのやめろよ」
「酒じゃねぇ、アルコールだ」
「一緒だろ!」
一義がおっさんから離れる。
「悩みがあるんなら聞くぞ、どうせアレだろ
卑猥な悩みでもしてんだろ?
相談するなら放送コードギリギリにしとけよ」
「いや違うよ、実は同好会に誘われていてさ……」
「同好会だぁ?」
「友達から誘われてて……」
一義が恥ずかしげに告白する。
「じゃあ入ればいいじゃねーか」
おっさんが一義の肩をたたく。
「分かったよ、入ろうかな……」
一義が頷いた。
「偉い、それでこそ男だ
で、どの同好会だ?」
「友達同好会」
おっさんがずっこける。
「お前、本気で言ってるのか?
それはからあげにレモンぐらいありえねぇぞ
まぁ止めないけどよ……」
おっさんが呆れる。