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活動2 奇人たちの同好会 ( No.4 )
日時: 2014/08/08 15:48
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

翌日、友達同好会への入部を決めた一義は
大学で授業を受けていた。
「なぁおっさん、友達同好会ってどんな感じなんだ?」
一義は教壇で競馬新聞に丸をつける
おっさんに尋ねた。
「いいところだと思うぞ、入らなければな」
「あっそ……」
一義が言葉に詰まる。

昼休み、一義は購買にいた。
「友達同好会の評判って悪いのかな?」
そんなことを考えながら、お菓子の棚に手を伸ばした。
「あぶねー、買い損ねるとこだった」
棚に一つしか並んでいないポッキーに手を伸ばした途端、
もう一人の手が触れた。
「ちょっとー、私に譲りなさいよー」
その聞き覚えのある声に一義はぞっとした。
昨日ぶつかったあの子だった。
「ダメだ、早い者勝ちだぞ」
「レディーファーストしなさいよ、それでも男なの?」
ポッキーを忘れて、二人が口論する。
その横で、他の生徒が最後のポッキーを
買っていってしまった。

そして放課後、一義は友達同好会の部室に向けて歩いていった。
北校舎の三階、図書室の隣の比較的大きな部室だ。
入り口には「悪の巣窟は去れ!」と殴り書きされた
張り紙が張られている。
「何だこれ?」
そう思いつつ、一義は部室に入る。

「よく来たな、歓迎するよ」
元治が紅茶を飲みながら出迎えた。

部室には、様々なものが置かれていた。
小型冷蔵庫から当時はまだ高級品だったカラーテレビ、
大型ステレオといった家電から
様々な本が並んだ本棚、おもちゃ箱など
いつまでも遊んでいられるようなものがたくさんあった。
「これ全部お前が買い揃えたのか?」
一義が元治に問いかける。
「そうだ、オレがポケットマネーで買ったんだ」
「なぁ、このツイスターゲームって何?」
一義がおもちゃ箱からツイスターゲーム(1969年当時
有名ではなかった)を引っ張り出した。
「それはお前とやってもつまらないゲームだよ
女の子とやらなきゃダメだ」
元治が答えた。

すると、部室のドアが開いて一人の華奢な女の子が入ってきた。
手にはアメリカンドッグが握られている。
「あっ、君が新しく入部してきた一義君?」
女の子が尋ねる。
「私は手塚絹恵、この大学の服飾部二年生をやってるよ」
手塚絹恵、19歳(CV:喜多村英梨さん)が一義と握手を交わす。
「部長さんごめんね、遅刻したのは
ちょっと学食行ってたんだ」
絹恵が元治に頭を下げる。
「カレーライス30杯食べてきたんだ」
絹恵が笑顔を見せた。

「ねぇ知ってる?
ここの部活には幽霊部員がいるんだよ、
一義君もそうならないように気をつけてね」
絹恵が一義に語りかける。
「大丈夫さ、出来るだけ部活には顔を出すさ」
そう言うと、一義は冷蔵庫からコーラを取り出した。

振り向くと、絹恵の隣に一人の女の子が座っていた。
「へぇ、外国人もいるのか」
そう思いながら、一義が彼女の横に座った。