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活動2 奇人たちの同好会 ( No.7 )
日時: 2014/08/03 11:51
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

「そ、そんなはずないだろう
正義の味方はいつも孤独であって……」
必死に反論を繰り返す陽子だったが、
キャロルが少し哀れんだ声で話しかけた。
「強がる必要は無いよ、いつも一人ぼっちで
学食とか食べてるよね、一緒に
食べようよ」
陽子が少し涙ぐむ。
「そうだよ、いつも一人なんてかわいそうだもの
入部なら歓迎するよね、一義君?」
絹恵が一義に尋ねた。
「あぁ、歓迎するとも
今日からよろしくな」
一義が微笑む。
「仕方ないわねぇ、入部してもいいよ」
小百合も少し照れながら承諾した。
「うるさい!
入会する前提で話を進めるな、
私はもう愛と勇気だけが友達なんだ!」
陽子が叫ぶ。
「あれっ、もう二人も友達がいたのか?
愛ちゃんと裕貴くんって言うのか」
一義が間違った解釈をした。

「き、今日はこのくらいのところで見逃してやる
覚えていろ!」
そう言うと、陽子は部室を飛び出していってしまった。
「いつも強がっているね、少しかわいそう……」
キャロルが呟いた。
「まぁ、もう二人も友達がいるんだし
いいんじゃないの?」
小百合が笑った。

すると、部室のドアが開いた。
「うぃーっす、あれっ?」
ドアを開けたのはおっさんだった。
「なんだ、お前本当に同好会に入ったのか
バカな奴だな」
おっさんが一義を見て笑う。
「そういうおっさんは、何しに来たんだよ?」
「そりゃお前、オレはここの顧問だからな」
「ええっ!」
一義が驚く。
本棚にあったギャンブルの本は全ておっさんのものだったのだ。
「まぁ仲良くやろうや」
おっさんが一義と握手を交わす。
「あぁ、よろしく……」
一義は、苦手なおっさんと接する時間が増えると思うと
少し憂鬱になった。

一方、学長室では
逃げ帰ってきた陽子がギャバン学長に報告をしていた。
「それじゃ、今日も友達同好会は潰せなかったのか?」
ギャバン学長が残念そうに尋ねた。
「はい、申し訳ございません……」
陽子が必死に頭を下げる。
「まぁいい、今日の同好会の様子はどうだった?」
「今日は新入部員が入ってきました、
今日はまた一段と楽しそうでした」
ギャバン学長がずっこける。
「た、楽しそうだったのか?」
「はい、私も友達が欲しいなぁと思いました」
「そ、そうかい
今日もご苦労様」
ギャバン学長が千円札を差し出す。
「ありがとうございます」
陽子が笑顔を見せる。
「じゃあ明日こそ私は
同好会に潜入調査したいと思います!」
「それって、ただ入りたいだけじゃないのか?」