コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 活動3 ウィークエンド・シャッフル ( No.11 )
- 日時: 2014/08/04 18:18
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
「チェルシーがいなくなったとは本当ですか?」
ダニエルが顔面蒼白で部屋に入ってきた。
「まったく、面倒くさいことになっちまったな」
二日酔いで痛む頭を抱えながらおっさんも部屋に入る。
「なんてことだ、早く警察に連絡を」
一義が元治に声をかけると、ダニエルが
それを止めた。
「今警察を呼んだら仕事に影響が出るかもしれない、
我々でなんとかしよう」
スケジュール帳を見ながらダニエルは苛立ちを隠せない。
「今後の仕事に影響が出なきゃいいが……」
一義たちはダニエルを見つめていた。
一方、アミティエ大学近くのボウリング場では
小百合たちがボウリングで遊んでいた。
「やった! ストライクだ」
絹恵が小百合たちとハイタッチを交わす。
そしてそのグループの中に、
スカーフにサングラスで顔を隠している
チェルシーの姿もあった。
一方、ギャバン学長は愛車のサーブ・96(スウェーデンの
自動車メーカーサーブの製作していた中型セダン)を
走らせていた。
「それで、娘さんの行きそうな場所に心当たりは?」
学長が助手席のダニエルに話しかける。
「分かりません、ただ早く連れ戻さなくては……」
「大切な一人娘だからな、その気持ちは分かるぞ」
後部座席の陽子がダニエルの肩をたたく。
「君って子供いたっけ?」
学長が首をかしげる。
「いいえ、このまま見つからなければ仕事に影響が出ます
次はパリで仕事があるもんで」
ダニエルが答えた。
学長と陽子は少しその発言に違和感を感じた。
一方、一義たちも元治の運転する
BMW・3.0CS(ドイツの自動車メーカー
BMWが製作していたスポーツカー)で
チェルシーを探していた。
「そういえば、今朝から小百合ちゃんたちの姿が
見えないよな?」
元治が助手席の一義に尋ねた。
「たしかに……」
「きっとあいつらも一緒なんだろう」
後部座席のおっさんが答えた。
一方、小百合たちは行きつけの遊園地である
「ポンコツランド」のジェットコースターに乗っていた。
「きゃー、怖い!」
チェルシーが小百合に抱きついた。
「小百合、今日は楽しかったよ」
すっかり日も暮れて、チェルシーは
両手に風船やぬいぐるみを抱えて遊園地を出ようとしていた。
「私これまで仕事ばかりで遊園地なんて行ったこと無かったから
楽しかったよ」
「私も楽しかったよ」
小百合も笑顔を見せる。
「じゃあさ、最後に記念写真でも撮ろう」
絹恵がカバンからカメラを取り出した途端、
遠くから声が聞こえてきた。
「おーい、探したぞ」
声の主は一義だった。