コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 活動4 ギャンブル狂時代 ( No.18 )
- 日時: 2014/08/15 01:33
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
その後も、キャロルは旭に向けて
説法を続けていた。
すると、少しずつ旭の表情から
笑顔が戻ってきた。
「そうだな、オレは少し考えすぎていたかもしれない」
「そうですとも、もっと楽に生きたらいいのに」
一義が旭の肩をたたいて笑った。
「そうだよな、あんたみたいな奴でも
楽しそうに生きてるんだもんな」
旭が一義に笑って返した。
「そ、それはちょっと頭にきたな」
一義が不快そうな顔をした。
「だってその通りじゃん、アハハ」
小百合が大笑いした。
他の一同も大笑いした。
その日の夕方、旭は家に帰って行った。
「もうギャンブルはやめるよ」
旭がおっさんに誓った。
「それがいいかもな」
おっさんが答えた。
「オレも宝くじは控えるよ」
一義も誓った。
「当たらないからやめるんでしょ?」
小百合が横槍を入れる。
「それがいいさ、ギャンブルなんざ
一害あって百利なしだからな」
陽子が一義の肩をたたいた。
「それを言うなら百害あって一利なし」
絹恵が微笑んだ。
何はともあれ、旭は少しは
ギャンブルをやめるようだ。
それから一ヵ月後、部室のテレビでは
競馬中継が放送されていた。
「よーし、差せ!」
おっさんが顔を真っ赤にして叫ぶ。
「あんなにギャンブルはよくないって言ってるのに……」
小百合が呆れた表情でおっさんを見つめている。
「まぁバカは一生直らないっていうからね」
一義が元治と野球盤で遊びながら言った。
「そういや旭さんは完全にギャンブルを
やめたのか?」
元治がおっさんに尋ねた。
「やめたらしいぞ、でも毎日楽しくて
仕方がないんだとよ」
すると突然、部室のドアが開き
一人の男が入ってきた。
「なぁ、ヒック
頼むから助けて、ヒック」
男の正体は旭だった。
「またあなたですか、もうギャンブルはやめたはずでは?」
一義が旭に尋ねる。
「もうやめた、ヒック
でも今度は、ヒック」
旭が汗を流しながら答える。
「なぁキャロルちゃん、ヒック」
旭がキャロルに尋ねた。
「どうしました?」
「しゃっくりってさ、ヒック
百万回したら死ぬって本当かな?」