コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 活動5 深海より愛をこめて ( No.21 )
- 日時: 2014/08/17 02:12
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
青い空、白い雲、砂色の砂浜(当たり前だけど)、
波は穏やかで浜辺には
色とりどりの貝殻やヒトデ、カニたちが
たくさんあった。
ここは大学から歩いて五分ほどにある砂浜、
夏休みを利用して同好会のみんなで
遊びに来ていたのだ。
「ちょっとー、ジロジロ見ないでよー」
赤いビキニ姿の小百合が
黒いバミューダの海パン姿の一義を
睨みつける。
「なんだと?
オレがお前なんかイヤラシイ目で見るわけないだろ!」
一義が小百合に反論する。
「ほら、見てるじゃん」
小百合が海の水を一義にかける。
「やったな、おりゃ」
一義もかけ返す。
いつしか二人は、まるでベタな
恋人のごとく水をかけ合っていた。
「なんだよ、あの二人楽しそうだな」
ビーチパラソルの下でアロハシャツに短パン姿の
元治が、バケツで冷やしたシャンパンを飲みながら
二人を見て笑った。
「まぁいいじゃん、夏なんだし
水着回が一つは書きたかったんだよこの作者も」
黄色い生地に黒いストライプのビキニ姿の
キャロルが笑顔で話しかける。
「ところでおっさんは今日はどうしていないの?」
青いビキニ姿の絹恵がスイカを食べながら
キャロルに話しかける。
「山に行ったんだよ、油田を探して
大もうけするんだって」
「油田って山に出るわけ無いじゃん」
元治が呆れ顔をする。
「でも本気のトーンで言ってたよ」
キャロルが苦笑いする。
「ところであいつ、何をやってんの」
絹恵が家康を指差す。
家康はなにやら浜辺をキョロキョロしている。
手にはなぜかカメラを持っている。
「そこの変質者、カメラなんて
必要ないでしょ」
絹恵が家康の肩をたたく。
「バーカ、てめぇなんて撮らねーよ
金にならねぇだろブスの盗撮なんて」
家康は盗撮して、写真を売り飛ばそうとしていたようだった。
数分後、砂浜の波打ち際に家康が首だけ埋められていた。
横にはめちゃくちゃに壊されたカメラが
落ちていた。
「くそー、小遣いでやっと買ったカメラなのにー」
家康が泣いている。
「もうすぐ満潮だよな」
遠くで元治が笑っている。
夕方になり、すいか割りをすることになった。
棒を持って目隠ししているのは小百合だった。
「もっと右」
キャロルたちが指示を出す。
「えいっ」
小百合が棒を振りかざす。
「ぐわーっ」
クリーンヒットだった。
ただし、スイカではなく一義の太ももに。
「痛いだろ!」
一義が激怒する。
「避ければよかったじゃん」
目隠しを取って小百合が一義に反論する。
「もう許さねぇぞ」
一義は海の中からなまこを取ろうとした。
小百合に投げつけようとしたのだ。
「うわっ、やっぱ無理だ
気持ち悪ぃ」
一義がなまこに触る前に手を引っ込める。
近くにはタコやうにも泳いでいたが、
やっぱり掴めなかった。
仕方なくわかめを手に取ると、
それを持って小百合を追いかけた。
「ぶつけてやらぁ、ちきしょー」
「いやー、助けてー」
小百合が逃げ出す。
「待てー」
「待つわけないじゃん」
一義と小百合が追いかけっこをする。
それはまるで恋人のようだった。
「ベストカップルだね、もう結婚すればいいのに」
キャロルが遠くで眺めながら笑う。
「やっぱ水着回はこうでなくっちゃな
楽しそうで何より」
スイカを食べながら元治が笑う。
「作者の妄想が爆発してるよね」
絹恵が少し冷ややかに笑った。